病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

心房細動を勉強した⑨~リズムコントロールの使い分け~

 続きを書いていきます。

 

【リズムコントロール薬の使い分け】

サンリズム

純粋なNaチャネル遮断薬

腎排泄であるため慢性腎臓病患者では使用注意

 

シベノール、リスモダン

抗コリン作用(特にリスモダンは顕著)があるため尿閉・口渇などに注意

 

プロノン

代謝がメインであるため腎機能低下例にもある程度使用可能である

用量との関係で300mgと450mgでは血中濃度が全く異なる

 

タンボコール

不整脈作用が強い

pill in the pocketとしてサンリズムで停止しなくなった場合にも効果的であることが多い

 

ベプリコール

マルチチャネル遮断薬(Na、K、、Caチャネル遮断)

除細動効果が高い

(↑J-BAF試験 持続性心房細動に対して100mg/日で37.5%、200mg/日で69%の除細動効果を3カ月後に認めた)

副作用にQT延長がある

使う場合は若年で腎機能が良好な場合以外は100mg/日までの使用が無難

1剤内服中でも発作の頻度が高くなった場合:ベプリコール+アスペノン

(↑他のⅠc群でも併用効果はあるがこの組み合わせで奏功することが多い)

(↑併用する場合はQRS延長やQT延長がないかモニタリングする)

P.165

 

【抗血小板薬と抗凝固薬】

抗血小板薬:心筋梗塞・アテローム脳梗塞などの動脈血栓症に有効

抗凝固薬:心原性脳塞栓症などの静脈血栓症に有効

 

・JAST試験:非弁膜症性心房細動(NVAF)患者においてaspirin 150-200mg/日投与は脳卒中予防に対して有効でなく,安全性も認められなかった。

P.167