病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

尿路感染症(治療以外)

 今日はこの本で尿路感染症を勉強したので書いてきます。

 

 


 

【尿路について】

・尿路:腎臓→尿管→膀胱→(男の場合:前立腺/精巣)→尿道

・管腔臓器では原則、熱が出ない。

(熱が出るのは腎盂腎炎、前立腺炎/精巣上体炎)

P.16

 

【尿路感染の分類】

背景因子から①単純性尿路感染症、②複雑性尿路感染症に分類される。

(単純性と複雑性では起因菌が異なる)

P.16

 

【複雑性尿路感染症の条件】

  • 尿流を障害する解剖学的問題や異物の問題があるか?

前立腺肥大症、膿瘍、結石、カテーテル、神経因性膀胱、妊婦など

  • 患者の免疫状態に問題ないか?

→悪性腫瘍、糖尿病、移植後、好中球減少、HIVなど。

★「若い(閉経前)女性で妊娠しておらず尿路や免疫状態に問題がない人」以外=複雑性とする。

(☆単純性とは複雑性以外のものをいう

P.16

 

【高齢者の腎盂腎炎】

・無症候性(熱以外に症状がはっきりしない)なことが多い

・特に長期臥床高齢者など、カテーテルが挿入されている場合は発熱のみのことが多い。

P.17

 

【臨床で尿路感染が否定できる条件】

高齢者の尿検査が全く異常ない=尿路感染は否定的

P.17

 

【尿路カテーテル留置患者の細菌尿について】

カテーテル管内にバイオフィルムが形成されている

・30日以上カテーテルを留置している場合、ほぼ全例で細菌尿が起こっている。

カテーテルバイオフィルムを形成していても感染症を引き起こすのは10%以下、敗血症にいたるのはその中でも3%

・「尿道カテーテル留置患者の発熱+細菌尿・膿尿」=尿路感染症!とはならない。

P.18

 

 

 P.S 今日は子供がテーブルの角などにぶつかっても大丈夫なようにこれを貼りました。ちょっとイメージと違いましたがまぁいいでしょう。