病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

アンカロン、シンビットを調べてみた⑥

 続きを書いていきます。

 

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【アンカロン錠の維持量】

副作用の頻度は維持量と投与期間に比例する

→有効性を維持しながら最低限の用量を目指す

(筆者の先生が目指している最終的な維持量↓)

心房細動:50mg/日程度

心室頻拍(VT):100mg/日程度

埋込み型除細動器(ICD)拒否例の代替療法:200mg/日程度

P.192

 

【心房細動に対するアンカロンの試験】

AF-CHF試験

試験対象:低左心機能(EF<35%)の心房細動患者

結果:アンカロン投与群とレートコントール群で有効性は同等だった

P.184

 

【ICD埋込み患者とアンカロン

OPTIC試験

試験対象:ICD埋込患者

結果;β遮断薬単独よりもβ遮断薬+アンカロンのほうがICDの作動を抑制できた

P.184

 

 

【心臓手術周術期にアンカロン予防投与】

アンカロン錠10mg/kg/日を術前6日から開始、術後6日(OPE日を含む13日間の投与

(↑予防投与を行うことで心臓手術後の合併症として一般的な心房頻拍の発生率をプラセボに比べ優位に下げたという報告あり)

補足)心房頻拍:心房細動と心房粗動

P.185

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/418899.html

 

(感想)

 当院には心臓外科がないのでアンカロンを予防投与することはないですが疾患毎(心房細動、心室頻拍(VT)、埋込み型除細動器(ICD)拒否例の代替療法)にアンカロンの維持量の目安があると知れたのはとても勉強になったなーと思いました。(添付文書には疾患毎の用量は記載ないです)