病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

大動脈解離の患者さんが入院してきた①

 最近、大動脈解離の患者さんが入院してきました。

 

当院ではあまり遭遇する疾患ではないのでいつもの本で大動脈解離を勉強したので書いていきます。

 

【大動脈解離の分類と治療方針】

上行大動脈に解離が及ぶStanfordA型:手術適応

上行大動脈に解離が及ばないStanfordB型:保存的治療

※急性期受診時には①交感神経系の亢進、②激しい胸背部痛、③不安によって血圧が高度に上昇していることが多いためA型、B型ともにまず緊急的に血圧を下げることが不可欠

 

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【大動脈解離の治療薬】

急性期の第一選択薬:βブロッカー(←収縮期圧の立ち上がり速度を抑える効果があるため)

第一選択薬で血圧コントロール不十分な場合:Ca拮抗薬(←最も効果の発現が早く、降圧力に優れるため)、RAA系抑制薬を加える

 

【大動脈解離の急性期治療薬】

βブロッカー(内服or注射)+速やかな降圧作用のあるCa拮抗薬の注射薬(ペルジピン、ヘルベッサー)、ミリスロール注、ニトプロ注などを組み合わせSBP:100~120mmHgに維持する。

(※βブロッカー+ヘルベッサーの場合:徐脈に注意)

(※ミリスロール注使用する場合:反応性の頻脈に注意)

 

今回の患者さんではメインテートの内服とペルジピン注が開始になっていました。

 

 

P.S 昨日の夜、地震結構大きかったですね。夜勤の看護師さんたち患者さんの対応とか大丈夫だったのかな?

 

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