病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

大動脈解離の患者さんが入院してきた②

 今日は大動脈解離の各種治療薬について書いていこうと思います。

 

【大動脈解離とβブロッカー】

・第一選択薬:インデラル注 0.02mg/kg/hr(=0.33μg/kg/min=0.33γ)で持続点滴

(↑血圧や心拍数をモニターしながらこまめに調節するのが大事)

 

方法

①急性期:インデラル注の持続点滴(作用時間が短いため)

急性期→亜急性期、慢性期に移行+血圧、心拍数が安定している:長時間作用型のメインテート、テノーミンに切り替える

②βブロッカーの内服+血圧をCa拮抗薬の注射薬で調節する方法もある

 

【大動脈解離とCa拮抗薬】

・DHP系Ca拮抗薬:血行動態の管理に向いている(動脈だけ拡張させる&静脈や心筋には影響が少ないため)

・ペルジピン原液 1~2γ(=μg/kg/min)持続点滴(血圧をモニタリングしながら)

(↑時々、静脈炎が起こるので中心静脈から投与するか希釈して投与することが多い)

・来院時or発症時の血圧はそこまで高くないが心拍数が高い場合:ヘルベッサー注 5~15γ(=μg/kg/min)持続点滴

 

【大動脈解離とミリスロール】

・①Ca拮抗薬にて十分な降圧が得られない場合、②肺静脈うっ血を伴う心不全合併例

→Ca拮抗薬+ミリスロールの併用も考慮する

 

【大動脈解離とハンプ】

心不全合併例

→ハンプ(心拍数上昇がなく、ある程度の血圧低下作用も望めるため)

 

 

P.Sニュースによると地震はあと1週間、予断を許さないとのことらしいですね。怖いなー。

 

 

 

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