病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

うつ病を勉強した~治療⑨抗うつ薬の増強療法・甲状腺ホルモン薬編~

  今日は抗うつ薬の増強療法の併用薬の1つ、甲状腺ホルモンについて書いていきます。

 

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甲状腺ホルモンを併用する増強療法】

・三環系抗うつ薬チロナミン甲状腺ホルモンT3製剤)、三環系抗うつ薬+チラーヂン(甲状腺ホルモンT4製剤)

・日本では適応外の使用。実臨床ではこの併用療法はあまり見ない。

P.26

 

(感想&その他)

 精神科でチラーヂンなんて処方されないだろうと思っていたのですが最近、入院患者さんの持参薬にありました。

その患者さんは某有名大学病院の精神科に通っていた患者さんで今回、当院には心不全、肺炎で入院されました。

診療情報提供書によると精神科の疾患としてはアルツハイマー認知症うつ病だけで甲状腺系の疾患の記載はなかったです。

精神科で処方された薬です↓

チラーヂンS25μg 1錠/1×M

アリセプト5mg 1錠/1×M

ルボックス75mg 1錠/1×A

セロクエル細粒 20mg/1×vds

デパケン細粒 250mg/1×vds

リスパダール0.5mg 1錠/1×A

 

チラーヂンと併用されているのが三環系抗うつ薬ではないSSRIのルボックスですが多分、抗うつ薬の増強療法としてチラーヂンが併用されているんだろうなーとこの本を読んで感じました。(セロクエルリスパダールも増強療法?もしくは認知症の不安?や不穏に対しての処方なのかなと考えました)