病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

認知症について勉強してみた~概論~

 最近、当院でも認知症ケアサポートチームというものが立ち上がり、病棟薬剤師もカンファレンスに参加し、先生に薬の提案することが多くなってきました。

改めて認知症を勉強しなきゃなと思ったので「薬剤師のための精神科の薬」という本を買って勉強したので書いていきます。

認知症の症状の分類】
認知症は「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」に分けられる
・中核症状:脳細胞の損傷が原因となって起こる記憶や判断力の障害によるもの
例:「物忘れ」、「道に迷う」など
・周辺症状:認知症が基になって起こる心理や行動の症状
例:「物盗られ妄想」、「暴力・暴言」、「不眠症」など
P.174

認知症の種類】
アルツハイマー認知症
記憶力低下を含む認知障害のために生活に支障をきたしている
ゆっくりと悪くなる
局所神経症状(麻痺や固縮(筋強剛など)は見られない
が特徴

レビー小体型認知症
ゆっくりと発症・進行する認知症症状、認知機能の動揺(注意や覚醒レベルの変動と関係)
具体的で詳細な幻覚(特に幻視)
パーキンソン症候群(仮面顔貌、緩慢な動作、小刻み歩行といった錐体外路症状
などが特徴

③脳血管性認知症
・脳血管障害(脳梗塞脳出血など)による脳の損傷が原因で起こる
脳梗塞や脳内出血が起こった後、急速に神経症状が出る
ラクナ梗塞、多発性梗塞、アテローム梗塞などの場合は神経症状が徐々に進行することがある
・損傷部位や程度によって比較的保たれている部分とそうでない部分がある
のが特徴。
・他の認知症と比較してうがい、手洗いなど自分自身を清潔に保つための行動が困難→肺炎などで死亡することが多い(←肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンの接種を推奨)

補足)
ラクナ梗塞:脳の深部に小さな梗塞ができる
多発性梗塞:小さい梗塞がたくさん生じる
アテローム梗塞:脳血管の動脈硬化か凶作が起こる梗塞
P.175、177、178

認知症の生命予後】
生命予後がよい順
アルツハイマー認知症>脳血管性認知症>レビー小体型認知症
P.177

(感想&その他)

生命予後はイメージ的に脳血管性認知症が一番悪そうですが違うのですね。