今日は頻繁にみる胆管炎の抗菌薬治療について例の本で勉強したので書いていきます。
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【胆管炎と内視鏡的ドレナージ】
胆管炎の多くは迅速に内視鏡的ドレナージを行えば抗菌薬はどれでもあまり遜色はない。
P.108
【Charcotの3徴が揃うことはそこまで多くない】
胆管炎においてCharcotの3徴(発熱、黄疸、右季肋部痛)がそろうのは数十%とそこまで多くない。
P.110
【胆管炎の治療で重要なこと】
支持療法を中心とした全身管理+ドレナージ(抗菌薬は背中を押す程度)
【胆管炎の重症度分類】
・重症度分類はTokyo Guidelineで行う
・胆管炎の抗菌薬治療は重症度に基づいている!!
・胆のう炎も同じ重症度分類を使って抗菌薬治療選択する
Grade Ⅰ(Mild) |
診断時にModerate、Severe以外 |
GradeⅡ(Moderate) |
以下のうち2つを満たすもの 1.WBC>12000/mm3or<4000/mm3 2.39℃以上の発熱 3.75歳以上 4.T-Bill(総ビリルビン)が5mg/dl以上 5.低アルブミン血症(<正常値下限×0.7) |
GradeⅢ(Severe) |
いずれか1つの臓器障害を示す所見がある 1.心血管系:DOA 5γ以上必要or NAd使用 2.神経系:意識障害 3.呼吸器:PaO2/FiO2比<300 4.腎:乏尿、血清クレアチニン(Cr)>2mg/dl 5.肝臓:PT-INR>1.5 6.血液:血小板(PLT)<10万/mm3 |
※PaO2:動脈血酸素分圧、PO2:酸素分圧 基本、血液ガスは動脈からとるのでPaO2とPO2は同義
P.111
【医療暴露歴の有無が悩ましい時は悪いほうにとって考える】
医療暴露歴があるかないかを悩むケースは医療暴露歴があると判断すべき。
理由;病歴や最近の医療機関受診歴、抗菌薬使用歴は100%うまく取れているとは言えないため。
P.112
【胆管炎患者の季肋部痛について】
胆管炎において明らかに季肋部痛があるというのは通常よりも症状が重いと考え、重症度の境目ぐらいならより上のランクで取り扱ったほうが良い。
(↑Charcotの3徴(発熱、黄疸、右季肋部痛)がそろうことは少ないため)
P.112
P.S少し前に胆管炎か胆のう炎の患者さんが入院してきました。その時の採血結果やバイタルから重症度はGradeⅠだったのでGradeⅠにあった抗菌薬でよい良いかなと思ってたのですが季肋部痛を訴えていたのでGradeⅡとして考えても良かったのかな?と思ったそんな一日。