病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

胆管炎と抗菌薬について勉強してみた③

 続きを書いていきます

 

 


 

 

 

 

【胆管炎における培養結果】

血液培養は陽性+胆汁培養は陰性というのは胆管炎では時々ある。

(理由①ドレナージをする準備に時間がかかり、ドレナージ検体が提出される頃には抗菌薬開始後時間が経っており、菌が死滅しているため)

(理由②ドレナージが不十分)

P.114

 

【胆汁より生えた菌で無視してよい菌】

黄色ブドウ球菌カンジダは無視してよい

(理由:留置したドレーンから良く上記菌が生えるがドレーンへのコロナイゼーション(定着菌)である)

(注意:ただし、留置されていたステントの閉塞などが原因の場合は黄色ブドウ球菌カンジダも原因菌になりうる

P.115

 

【留置しているドレーンからでた菌について】

(胆管炎に限らず)留置しているドレーンから提出された検体で生えた場合、無視してよい菌(=ドレーンへの定着菌と考えてよい)

→コリネバクテリウム、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌カンジダなど(留置しているドレーンからの検体は定着菌も拾ってしまうため)

P.116、121

 

【胆道感染症で血培から菌が生えた場合】

胆道感染症は複数菌感染症なので血液培養から1種しか菌が生えなくても複数菌をたたくというスタンスは崩さない。

P.116

 

【胆道感染症で良くならない時に考える病態】

  • ドレナージ不良部位の存在
  • 肝膿瘍の存在
  • 炎症の腹膜への波及による二次性腹膜炎の存在
  • 炎症の胸膜・肺への波及による膿胸の存在

P.116

 

【胆道感染症のパラメーター】

右季肋部痛、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)(GOT、GPTは胆道系酵素ではないので注意)

P.116

 

【胆管炎の治療期間】

Gradeによらず以下が推奨(=重症度で治療期間に変化はない)

・ドレナージなどにより適切な感染巣コントロールできていれば4~7日間

・血液培養陽性患者は2週間(ドレナージなどで感染巣コントロールできていても)

・腸球菌や連鎖球菌が血液培養で生えた場合は最低でも2週間

・石や閉塞が残存する場合は解剖学的な問題が解決されるまで。

 

※治療期間中は点滴からバイオアベイラビリティの良い内服抗菌薬に変更も可

P.116

 

P.S今日は娘のパジャマをネットで買いました。気に入ってくれるといいけどなぁ。