うちの病院は心不全に対するβブロッカーってメインテートよりもアーチストが良く使われる印象なんですがこんなことが前にありました。
よくアーチストを処方する循環器のA先生がいたんです。
アーチストの禁忌に喘息があるのはよく知られていることだと思うんですがアナムネ用紙に既往にある患者さん(その時は吸入や予防の内服はしていない)にアーチストが処方されたんです。多分、A先生は常用薬の中身は見たんだろうけど患者さんが書いた既往歴までは見ていなかったんだろうなと思いA先生に「アーチスト処方頂いたんですが既往歴に喘息って書いてあります。メインテートに切り替えますか?」と確認したんですがA先生は「このままアーチストでいいですよ。」と返事がきました。その患者さんはアーチストを継続内服していましたが特に発作を起こさずに退院されていきました。
私は「あー、無治療でもコントロール出来ているぐらいの状態だからアーチストでいいって言ったのかなー?」と思ってたんです。
別の喘息患者さんにもアーチストが処方されました。その患者さんは喘息発作予防の吸入、内服もがっつり処方されていてなんなら1年前に喘息発作で入院されていた患者さんでした。
さすがにこれはメインテートに変更になるだろうと思いA先生に確認したら「アーチストでいいですよ。アーチストのほうがエビデンスいいですし。」と同じ返事が。入院中だから喘息発作が起きてもすぐに対応できるからという理由なのかと思い、A先生に確認したら外来でも喘息患者さんにアーチスト処方しますと返事が。
本当かよ。
「喘息患者にアーチスト処方して困ったことないですね。」
とも教えて頂きました。
実際にその患者さんもアーチストを継続内服されていましたが発作もなく退院されました。
私は添付文書や本には喘息患者にアーチストは使用しないと記載されているけど臨床では問題にならないのかなーと思っていました。
そんなこんなしていたらA先生が転勤して替わりにB先生が赴任され、この先生も喘息患者さんにアーチストを処方する先生だったのです。
B先生にも一応、毎回、確認していましたがアーチストでと返事が。
でも今回は違っててその喘息患者さんアーチスト内服して3日目の昼ぐらいにゼェゼェするなと言い出し、夜中には喘息発作が数回起きてステロイドとネオフィリンを点滴することになりました。
翌日、アーチストからメインテートに変更になり、変更後からは喘息発作はなく経過されました。
この事例で学んだことはアーチストでも大丈夫な喘息患者さんもいるけどやっぱり喘息発作を起こす患者さんもいるので先生にしつこいと思われても疑義照会は必要なんだなということです。
補足)アーチストとメインテートを直接比較した試験ってCIBIS-ELD試験しか知らないんですがこの試験ではアーチストとメインテートでは有意差はなかったと。メーカーさんにも確認しましたがアーチストのほうがメインテートより有意差をもって良いという報告はないですねとの返事が。
あれ?
アーチストがメインテートよりも結果が良いというデータをお持ちの方がいれば教えてください。
EBM Hot Flash CIBIS-ELD | M-Review
小さい子がいるのでうちはよく「らでぃっしゅぼーや」で野菜を買ってます。なんか野菜が新鮮だからいいらしです。高いけどね…。
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