続きです。
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・アミオダロン誘発性甲状腺中毒症(AIT)、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症を起こす。(頻度は甲状腺機能低下症が多い)
・TSHの上昇について
投与開始の一時的なTSHの上昇:経過観察で問題ない
投与開始から1~2年で徐々に上昇する、TSH高値を維持する:甲状腺ホルモン補充療法を行う
(甲状腺ホルモン補充療法)
TSH:10~15μU/日未満になるように甲状腺ホルモンを補充
心不全患者や高齢者では甲状腺ホルモン12.5μg/日からの慎重投与が望ましい
(アミオダロン誘発性甲状腺中毒症)
甲状腺中毒症 |
AIT(Ⅰ型) (バゼドウ病の顕在化) |
AIT(Ⅱ型) (破壊性甲状腺炎による) |
病態 |
甲状腺ホルモンの過剰な産生分泌 |
貯蔵された甲状腺ホルモンの過剰な漏出 |
FT4 |
高値 |
高値 |
TSH |
低値 |
低値 |
抗TSH受容体抗体 |
陰性~陽性 (バゼドウ病では陽性) |
通常陰性 (弱陽性のことあり) |
治療(軽症) |
抗甲状腺薬 |
経過観察 (FT4:2~4ng/dL) |
治療(中等~重篤) |
抗甲状腺薬 |
副腎皮質ステロイド薬(※) (不整脈が出現したり、FT4高値) |
※PSL 0.5mg/kg/日程度を投与する:インターロイキン(IL)-6を抑制する目的で投与する
ワーファリン、ジゴキシンと併用する場合はワーファリンやジゴキシンの作用が増強するためワーファリンやジゴキシンを2/3量~半量に減量することが望ましい
P.192
Vassallo P,et al:JAMA,298(11):1312-1322,2007.
(感想)
間質性肺炎に対してPSLを投与するっていうのは知っていましたが甲状腺中毒症(AIT(Ⅱ型))にPSLを使用するっていうのを知りませんでした。(むしろ「甲状腺中毒症」っていう病名を知りませんでした。ごめんなさい)
また、ワーファリンやジゴキシンとの相互作用についても勉強になりました。ジゴキシンとアンカロンを併用するかっていうとあんまりないのではないかと思うのですがワーファリンとは併用することありえると思いますし、減量の目安まで書いてあったのでとても勉強になりました。