病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

あいそなしがコミナティ(コロナワクチン)打つってよ⑦~ワクチン打ったあと授乳OK?~

 続きを書いていきます。

 

15. ワクチンは授乳婦でも接種できますか?P.26
授乳中の方も新型コロナワクチンの接種を受けることができます。現時点では特段の懸念が認められているわけではなく、海外でも接種の対象とされています。

 

(補足)

英国公衆衛生庁資料 Guidance COVID-19 vaccination: women of childbearing age,
currently pregnant or breastfeeding
・母乳育児中または母乳で育てられた乳児に関する COVID-19 ワクチンの安全性に関するデータはないが、COVID-19 ワクチンは母乳育児中の乳児にとってリスクであるとは考えられていない。

 

WHO 資料:Interim recommendations for use of the Pfizer-BioNTech COVID-19
vaccine, BNT162b2, under Emergency Use Listing 8 January 2021
・ワクチン接種後の授乳中止は推奨しない。

 

Academy of Breastfeeding Medicine(ABM)による授乳婦に対するワクチン接種考え
方は以下の通り。
このワクチンは、SARS-CoV-2 のスパイクタンパクの mRNA を含む脂質ナノ粒子でで
きており、筋肉内に注射されたナノ粒子は、筋細胞に取り込まれる。その後、筋細胞はこのmRNA を転写し、スパイクタンパクを作る。この細胞によって作られるスパイクタンパクが免疫応答を刺激し、接種を受けた人を COVID-19 による疾患から守る。
母乳分泌の際、このワクチンの脂質が血流に入って、乳腺組織に達することは起こりそうにない。仮にあったとしても、無傷のナノ粒子あるいは mRNA が母乳中に移行することはさらに起こりそうにない。たとえこの mRNA が母乳中に存在するというありえないような場合でも、母乳を飲んだ子供は、この mRNA を消化してしまうと思われるため、生物学的な影響を与えることはないと考えられる。

 

(感想)

ABMに書いてある内容は私にとって難しくて理解できなかったのですがとりあえず今のところワクチン接種後の授乳は問題ないようですね。それにしても薬剤師会が珍しく妊婦や授乳婦に問題ないってはっきり書くとは思ってなかったのでびっくりしました。

 


 

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最近は報道の影響でアセトアミノフェン(=カロナール)が入手しづらいみたいですね。 アセトアミノフェンが一番安全ではあります(腎機能が悪い方や喘息のある患者さん、妊婦さん、消化性潰瘍の方にも比較的使用しやすいです)がロキソプロフェンやイブプロフェンといったNSIADsもアスピリン喘息や腎機能障害がない、成分にアレルギーがない方、妊娠している可能性がない方、消化性潰瘍がない方にはむしろNSAIDsのほうがアセトアミノフェンよりも解熱や鎮痛効果は高いので良いのではないかと思います。 厚労省もNSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのグループ名)の使用を承認しています。また、コロナが流行り始めた初期にWHOからイブプロフェンを飲むとコロナが悪化するので飲むのを控えるようにと発表がありましたが根拠とする理由が曖昧だったり、症例数がとても少なかったこともありそのあと発表を撤回して研究中と文言を変更しています。 なので腎機能が悪い、喘息がある、今までに薬でアレルギーが出た、妊娠中、消化性潰瘍になったことがあるといった方でない限りロキソプロフェンやイブプロフェンといったアセトアミノフェンではない解熱鎮痛剤でも問題ないのではないかと個人的には思います。以下にイブプロフェンやロキソプロフェンを含んだ市販の解熱鎮痛剤のリンクを貼っておきますのでどうしても受診できないという方はお買い求めください。