病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

ナウゼリン坐剤とアンヒバ坐剤の併用について

 今日は胃腸炎の小児科の子に服薬指導を行いました。

 

処方箋の内容としては

ビオフェルミン

ナウゼリン坐剤

アンヒバ坐剤

 

お母さんから「先生から家に帰ったらすぐに吐き気止めの座薬を使ってくださいと言われました。今、熱が39℃あります。一緒に使ってもいいんですか?」と質問されました。

 

ナウゼリンとアンヒバを同時に使用すると効果が弱まるというのは知っているのですが毎回、どっちが先でどれぐらい間隔をあけるんだっけなと混乱してしまうんですよね。

 

で、少し時間をいただいて調べたところ

ナウゼリン→30分あけて→アンヒバ

 

そうそう。ナウゼリンが先だと思いだしお母さんにお伝えしました。

 

どうせだしもう少し深堀りして勉強してみようかなと思い勉強してみました。

 

まず、なぜナウゼリンを先に入れてアンヒバを入れるのかという理由を書いていきます。( 沖縄県薬剤師会のHPからの抜粋です)↓

 解熱剤の坐薬には油脂性の基剤(薬を溶かし込んでいる部分)が使われています。一方、吐き気止めの坐薬の成分は、油に溶けやすい性質を持っています。
ですから解熱剤の坐薬を先に使うと、後から入れた吐き気止めの成分が、解熱剤の基剤に取り込まれてしまいます。
その結果、吐き気止めの薬の吸収が遅れ、効果が弱まってしまうおそれがあります。
まず最初にナウゼリン®坐剤を入れ、その後30分以上待ってからアンヒバ®坐剤を使って下さい。

 

水溶性性基剤→30分あけて→油脂性基剤の順番ということですね。

 

キョーリン製薬から出されているドクターサロンには以下の内容もありました。

 

・基剤が一緒だったら薬効から考える

→緊急を要する坐剤(熱性痙攣時の抗痙攣薬(ダイアップなど)、喘息の薬(アルビナなど)、吐き気止め(ナウゼリンなど)などどうしても効果が大事なものをまず最初に入れる→次に解熱剤(アンヒバなど)とか抗生物質を入れ、下剤の坐剤は最後にします。

 

・坐薬が何性なのかと見分け方↓

油脂性のもの:基剤にハードフット

水溶性のもの:基剤にマクロゴール

と書かれていることが多い

 

今日も勉強になりました。

 

 

 

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