今日はVT/VFの第一選択薬のアンカロンについて調べたので書いていきます。
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【アンカロンについて】
・マルチチャネル遮断薬(急性作用と慢性作用が異なる)
急性作用(注射薬):QT延長効果は認めにくい
(↑Naチャネル遮断作用とCaチャネル遮断作用が全面に出てくるため)
慢性作用(経口薬):QT延長が出現する
(↑Caチャネル、β受容体、Ifチャネル抑制作用などの徐拍化効果によってQT延長が起きる)
・心機能低下例にも使用可能&肝代謝型のため腎機能低下患者にも使用可能
・アンカロンのQT延長は軽度(シンビットのQT延長は劇的)
・アンカロンはシンビットと比較して速効性はない。
・アンカロンはシンビットに比べtorsade de pointesを起こしにくい
・心臓手術周術期にアンカロンの経口薬を予防投与することで心房細動・心房粗動が減少することが報告されている
・アンカロンの血中濃度はアミオダロンとデスエチルアミオダロン(DEA:アミオダロンの活性代謝物)の合計で2.5μg/mlを超えないようにする
・急速投与:125mg/10分→負荷投与:50mg×6時間→維持投与:25mg×42時間
P.181、183
当院ではアンカロンを扱うことがほとんどないのでとても勉強になりました。アンカロンの作用に急性作用と慢性作用があるなんて知りませんでしたし、何よりイメージとして経口薬より注射薬のほうがQT延長が起こりやすいのかなと思っていたので意外でした。
また、アンカロンって毒薬に分類されるじゃないですか?なので心機能低下例には使用しづらいのかな、腎機能でも調節が必要なんだろうなと思っていたら真逆でしたね。
ただ、注射薬の用法・用量覚えるの難しいですよね。
うちの病棟ではアンカロン注の棚に用法・用量が書かれた表が置いてあり、必要時にチェックできるようになっています。
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