βブロッカーを飲んでる患者さんにDOBやPDEーⅢ阻害薬がオーダーされるとモヤモヤしてたんです。
なぜならβブロッカーは心臓を休める、DOBとPDEーⅢ阻害薬の作用は心臓の働きを強めるのが効果じゃですか!!併用したら作用的に相殺しちゃうんじゃないか?と思ってたんです。
今日も「処方Q&A 循環器疾患」で調べました。
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まず結論から言うとβブロッカー内服中にDOBやPDEーⅢ阻害薬を併用するのは「ない」処方ではないようです。
【DOB、PDEⅢ阻害薬とβブロッカー】
・β遮断薬を導入・増量する場面にβ遮断薬増量で心不全が悪化してしまう可能性のある重症心不全例ではDOB、PDEⅢ阻害薬を導入すると比較的安全(=βブロッカーにより心不全が悪化しない)にβブロッカーを導入しやすい。
→慎重にDOB、PDEⅢ阻害薬を漸減しつつβブロッカーを漸増するとイメージすると分かりやすい
P.100
と記載されていたんですがうーん…。わかったようなわからないような…(笑)
前に書いた日記に書いた「βブロッカーはβ受容体のダウンレギュレーションを防ぐ」というのを考えるとβ受容体を介さないPDE-Ⅲ阻害薬の併用は意味があるように思えますがβ刺激薬であるDOBは意味が分かりません(笑)
具体的なβブロッカー内服中にアカルディを導入する方法↓
【βブロッカー導入、増量時のアカルディ】
・βブロッカー導入、増量する3~4日前からアカルディ2.5mg/分2を導入
(↑この方法だとEF10%程度の心臓でもアーチスト10~20mg/日まで漸減できることが多い)
↑筆者の先生はアーチスト10~20mgまで増量できると書いてらっしゃいますが当院における個人的な印象としてはさすがに盛りすぎなんじゃないか?と思います(笑)
P.Sこの前、ある循環器の先生がアーチストを元々飲んでる患者さんが入院してドブトレックス(ミルリーラではない)が処方されました。
先生から「作用が反対だからねー」とアーチストを中止するように指示がありました。その時はあーあ、OPTIMIZE-HF試験にβブロッカーは中止すると死亡率が上がると書いているのにやめていいのかなーと思いながら、指示に従ってアーチストを配薬カートから抜きました。
で、そのままアーチスト中止したまま(再開し忘れ?)退院となりました。
OPTIMIZE-HF_循環器トライアルデータベース (ebm-library.jp)
あれは良かったのかなと思っていたんですが
上記のような記載がガイドライン(急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)P.37にあり、アーチスト+DOBは結構動態を悪化させると記載されています。
DOBを中止するタイミングで再開しなかったのはダメだと思うけどDOB使用中にアーチストを中止したのは正解だったのかな?先生はこのことまで理解しての指示だったのかな?(アーチストを中止するときに言っていた「作用が反対だからねー」からはとても思えないけど)
っていうかなぜミルリーラじゃなかったんだ?(笑)(腎機能悪くなかったです)
・今日の晩御飯はふるさと納税で頼んだもつ鍋(〆にラーメン)らしいです。楽しみだなー。
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