今日も「処方Q&A 循環器」で学んだことを書いていきたいと思います。
【MRAを導入する意義】
①抗アルドステロン作用による心不全の生命予後を改善
(アルドステロンは心筋リモデリングの因子。MRAはアルドステロンを抑制し、心筋リモデリングを抑制する)
②ループ利尿剤と併用することでループ利尿剤による低K血症の発現を抑える
(利尿作用は弱いため利尿目的で導入することはほぼない)
(利尿効果は強くない(Na再吸収3~5%程度しかない))
③ACE-I、ARB投与下のアルドステロンブレイクスルーに対してMRAを投与するのは理にかなっている
【MRAの試験】
RALES試験
対象:EF≦35%の心不全
結果:総死亡の有意な抑制効果が認められた
EPHESUS試験
対象:EF≦40%の心筋梗塞
結果:総死亡、心血管疾患死亡を低下させた
EMPHASIS-HF試験
対象:中等度の心不全
結果:心不全入院、心血管疾患死亡を有意に改善
→軽~重症まで心不全の重症度によらず+心不全の原因(虚血or非虚血どっちでも)によらずMRAの投与は予後改善に有用
【MRA一旦中止しても再開を】
血圧低下や高K血症で一旦、中止・減量しても状態改善を認めれば再導入・増量を検討
(↑それだけMRAには生命予後という強固なデータがあるため)
個人的な感想
勉強するまで利尿剤投与による低K血症予防とちょろっとRAA系を抑制できる程度かなと思っていたMRAがこんなにすごいんだ!と気づき、考えを改めることにしました。すいませんでした。
前に少しお話しした電動ドライバーがやっと届きました。早速、子供用の安全柵を設置しますか!
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