病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

ロケルマが院内採用になった

 今日は院内採用になった高K血症治療薬「ロケルマ」を日経DIで調べたので書いていきたいと思います。

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【ロケルマの特徴】

ロケルマはほぼ選択的にカリウムイオンを捕捉できる

(他の陽イオン:MgイオンやCaイオンなどはほぼ影響を受けない)

・ ケイキサレート、カリメートなどは、カリウムイオンよりもそれ以外の陽イオン(CaイオンやMgイオン)の吸着量が多い

(=低Ca血症や低Mg血症と起こす可能性がある)

 

  

 

【ロケルマの用法・用量】

・体内で安定して作用させるために開始用量と維持用量が異なっている。

(非血液透析患者)

・開始用量:最初の2日間は1回10gを1日3回服用

(血清カリウム値が高いなどの場合には、最初の3日間に1回10gを1日3回服用)

・維持量:開始用量の後、5gを1日1回服用

(※維持用量の最高用量は1日1回15g)

 

血液透析患者)

非透析日に1日1回5gを水で懸濁して服用する

(※最高用量は1日1回15g)

 

【ロケルマ服用方法の注意点】

 1回約45mL(大さじ3杯)の水で懸濁する。

(溶解しにくいため、十分に懸濁し、沈殿する前に服用する必要がある)

(服用後、薬が容器などに残っていた場合には再び水に懸濁して服用する)

 

【メーカーさんに教えて頂いたこと】

・ロケルマとロケルマ以外の高K血症治療薬(カリメートやアーガメイトなど)との等価換算などはありますか?

→ない。また、ロケルマ以外の高K血症治療薬との直接比較した試験もない。

 

・ロケルマの効果発現はいつから出ますか?

→ 血清カリウム低下作用は、投与1時間後から認められており24時間後には63.3%、48時間後には89.1%が正常域に達する。

(血清カリウム低下作用が早いとはいえ、緊急透析やグルコースインスリン療法等の既存の緊急治療の代替での使用経験はなく、有効性及び安全性は確立されていないので緊急性がある場合にロケルマは使用しない)

 

・ロケルマの維持量は分1ってなっていますが分服は可能ですか?

→試験を行っていないため不明

 

・なんで開始量は3日目までなんですか?

→J-DFS試験において、ロケルマ 10 g 1日3回群の投与48時間後(2日間)に正常カリウム値に達した患者の割合は91.7%、ロケルマ10 g1日3回72時間(3日間)の投与を要した患者は0.7%(1例)のみであった。(=3日間投与したらほとんどの患者さんがよくなるハズだからということ?)3日間投与しても改善しない場合は他の高K血症治療を検討する

 

・ロケルマ5gを隔日投与という処方箋がある問題ないですか?

 →J-LTS試験でそのようなオーダーがある。

J-LTS試験では5 g 隔日投与又は2.5 g1日1回まで増減可とする用量調節スキームを用いて、長期投与時の安全性及び有効性を検討している。2.5 g 1日1回又は5 g 隔日投与を必要とした患者はごく少数で、個々の患者に明らかな差は認められなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的には

MgやCaを低下させたくない患者さんにはいい薬だなと思いました。

 

ただですね、

 

水で溶かさないといけないという手間があるっていうのと

 

 

 

値段、高すぎじゃないっ!?

 

ロケルマ懸濁用散分包5g:1095.20円

カリメート経口液20%25g:77.80円

ケイキサレート散:15.80円

 

 

 

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