病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

そもそもなんで心不全にβブロッカーを処方するんだろう?

 

 

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そもそもなんで心不全にβブロッカーを使うのか?

調剤薬局から病院に転職した際に疑問に思ったこの内容。

調剤薬局に勤めているときは患者さんの病名もわからないので心不全なのか高血圧なのかもわからないまま「血圧を下げる薬です。」と今だったら分かるダメなやつやんっていう説明を一律に行っていました。

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あの頃の自分を叱咤する意味で改めて心不全にβブロッカーが効く理由を「処方Q&A 循環器疾患」を用いて確認しようと思いました。

 

【βブロッカーが心不全に効く理由】

心不全=神経体液因子(交感神経、レニンアンギオテンシン系など)の過剰な活性化状態→β受容体のダウンレギュレーションを惹起→心機能低下に傾く→心不全の症状が出る

 

βブロッカーにより交感神経の過度な活性化を防ぐ→β受容体のアップレギュレーションが起こる→心機能改善へ

 

補足)ダウンレギュレーション:継続的or過度な刺激により神経伝達物質やホルモンなどへの応答能が低下すること。(ここではβ受容体が反応しづらくなっているという意味)

 

本を読んで個人的な感想

 

心臓を休めてあげることが主作用と思ってたけど少しニュアンスが違うなーと思いました。

 

よく薬情に書いてある薬効説明には心臓を休める薬って書いてあるけどダウンレギュレーションの解除=心臓を休めるって意味なんだろうか?

 

血圧、脈を下げる=心臓を休めるってのが一番イメージしやすいけど別に血圧や脈が問題なくても導入するからなー。

 

やっぱりダウンレギュレーションの解除なんだろうな。

 

と思ったそんな1日。

 

 

【βブロッカーの試験】

・COMET試験

比較対象:等力価のアーチストとメトプロロール

結果:死亡率においてアーチストの優位性が⽰された

 

・CIBIS-ELD試験

比較対象:アーチスト、メインテートの直接比較試験。

NYHAⅡ以上、EF<40%の65歳以上の心不全患者

結果:①NYHA、LVEF、6分間歩行距離、QOL改善度はどれも差がなかった

   ②忍容性も差がなかった

 

EBM Hot Flash CIBIS-ELD | M-Review (m-review.co.jp)

 

 

 

 

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