病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

認知症について勉強してみた~治療⑤周辺症状~

 今日は認知症の周辺症状について書いていきます。

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認知症患者の抑うつ状態】

・副作用が出にくいSSRI、SNRI、NaSSAが第一選択薬

・SSRI、SNRI、NaSSAで効果不十分→四環抗うつ薬レスリンを選択

(高齢者に三環系抗うつ薬は抗コリン作用によるせん妄、心毒性などが出やすいやめ使用しない)

P.180

 

認知症睡眠障害

レスリン(眠気の作用が強い抗うつ薬で深睡眠の作用がある)が第一選択薬

・実臨床で良く使われるBZ系は意識レベルの低下やせん妄、筋弛緩作用による転倒が起こるリスクがあるので注意

P.180

 

認知症の不安】

リスパダールジプレキサセロクエルなどの非定型抗精神病薬が推奨されている

・実臨床ではBZ系抗不安薬が使用されている

P.181

 

認知症の徘徊・性的逸脱行為、不穏】

・SSRIなどが使用される

・性的逸脱行為はBZ系などによる脱抑制で増悪していることがあり、その場合は原因となる薬剤の中止を検討する

・興奮性の焦燥感(不穏)の改善:リスパダールエビリファイ

・興奮を伴なわない焦燥感(不穏)(なんだかイライラする、眠れない)の改善:セロクエル

P.18l、191

 

(感想&その他)

 私の中でリスパダールエビリファイで鎮静作用はそこまで強くない、セロクエルは鎮静作用が強いと他の本や勉強会とかで学んできたので記載間違いかと思ったのですが「認知症診療ガイドライン2017」でも同じことが記載されており、「アルツハイマー認知症の焦燥性興奮には効果が認められなかった」と記載がありました(P.74)ので間違いはないのかなと。

認知症に限ってのことなんでしょうか?せん妄とかだと興奮している患者さんにはセロクエル効く印象ですが…。

認知症の時は特別なんでしょうか?ご存知の方教えてください。

 

 今日は相方が仕事だったので娘と一緒に相方が帰ってくるのを外で待っていました。

娘は1歳と8カ月になりました。最近、ハマっていることは階段の昇り降りです。

憑りつかれたようにやってます。

 

 

認知症について勉強してみた~治療④脳血管性認知症~

 続きを書いていきます。



【脳血管性認知症の中核症状薬物療法
・日本で保険適用のある抗認知症薬はない
(ただし、ChE-Iやメマリーの投与で認知機能への効果が認められたとの報告あり)
・脳血管性認知症にChE-Iの投与、ChE-Iの効果がなければメマリーが投与されている
・感情失禁の症状が強い場合は最初からメマリーを使うことがある
P.180

【脳血管性認知症抑うつ
・脳血管性認知症の患者は体が思うように動かないため抑うつ状態になることが多い
・脳血管性認知症抑うつでも第一選択薬はSSRI、SNRI、NaSSA
P.198


(感想&その他)
 今日は1月に1回の実家にLINE連絡する日でした。
母や父も娘の姿を見れて嬉しかったそうです。
母は近々、白内障の手術を受けるみたいですがその金額にびっくりしました。
手術自体は4~5万でできるそうですがレンズが30万ぐらいするそうです。

マジか?(笑)

認知症について勉強してみた~治療③レビー小体型型認知症~

レビー小体型認知症の中核症状薬物療法
・ChE-Iやメマリーの有用性が報告されている
(ただし、日本でレビー小体型認知症に適応があるのはアリセプトのみ)
アリセプトで無効な場合、メマリーに切り替える方法が多くとられる
・メマリーは比較的鎮静作用が強く、レビー小体型認知症で生じやすい周辺症状(幻覚、易怒性)の改善にも役立つ
P.179、180

錐体外路症状抗精神病薬
錐体外路症状がみられる場合(レビー小体型など)にリスパダール錐体外路症状の悪化が懸念されるので使用は避け、錐体外路症状を起こしにくいセロクエルエビリファイを選択する
P.194

(感想&その他)

先生たちってレビー小体型認知症の患者さんとかパーキンソン病患者さんとか関係なく一律で不穏時の事前指示がセレネースなんですよね。
(どうやらデフォルトでオーダーされちゃうみたいです)
多分、一回セレネース使ったところでパーキンソン症状が悪化するとは思えないですが病棟薬剤師としてはしっかり見ていかないとなーと思う次第です。

認知症について勉強してみた~治療②アルツハイマー型認知症~

 続きを書いていきます。

アルツハイマー認知症の中核症状治療薬アルゴリズム



軽症~中等症
アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニールの中から単剤投与→最大量まで増量、一定期間投与を継続して効果を評価

・初期無効、効果消失、忍容性が低い場合→残りの2剤のChE-Iにスイッチングして単独投与

・ChE-I全てが効果不十分だった場合にはメマリー単独投与orメマリー+ChE-Iを検討

重症
アリセプト5mg/日4週間以上経過後に10mg/日に増量orメマリー20mg/日orアリセプト+メマリー

(感想&その他)
誤嚥性肺炎だからアリセプト含め全て休薬してだいぶ経って嚥下能力が戻ってきたのでアリセプトふくめすべての常用薬を同じ用量で一気に再開してもこれといって問題になったことは個人的にはないです。

認知症について勉強してみた~治療①~

 今日は治療について書いていきます。

【中核症状の治療薬】
・根本療法は確立されておらず症状の進行抑制が治療の目的
・中核症状の治療薬:アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリー
・中核症状治療剤の中から1剤を選んで一定期間投与→効果をみて不十分であれば残りの3剤のどれかにスイッチ。単剤投与を行う
P.174

【周辺症状の治療薬】
・適切な治療を行うことで軽快させることが可能
・不眠の治療には睡眠薬
・物盗られ妄想やせん妄には少量の抗精神病薬
抑うつ状態には抗うつ薬
P.175

【抗認知症薬は適応無視で使われる】
アリセプト」、「リバスタッチパッチ、レミニール」「メマリー」で適応がそれぞれ異なるが4剤とも適応がないタイプの認知症にも適応外で使用されることがある
P.178

補足)それぞれの適応症↓
アリセプトアルツハイマー認知症レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制
リバスタッチ、レミニール:軽度および中等度のアルツハイマー認知症における認知症症状の進行抑制
メマリー:中等度および高度アルツハイマー認知症における認知症症状の進行抑制

(感想&その他)
アリセプト以外にレビー小体型認知症に適応がある薬剤ないっていうのは知ってましたがレビー小体型認知症アリセプト以外の抗認知症薬が使われるのを初めて知りました。

前に非常勤の神経内科の先生がメマリーを内服してる患者さんだからレビー小体型認知症ではないのでは?と言ってましたが絶対違うとは言い切れないのが分かって良かったです

認知症について勉強してみた~概論~

 最近、当院でも認知症ケアサポートチームというものが立ち上がり、病棟薬剤師もカンファレンスに参加し、先生に薬の提案することが多くなってきました。

改めて認知症を勉強しなきゃなと思ったので「薬剤師のための精神科の薬」という本を買って勉強したので書いていきます。

認知症の症状の分類】
認知症は「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」に分けられる
・中核症状:脳細胞の損傷が原因となって起こる記憶や判断力の障害によるもの
例:「物忘れ」、「道に迷う」など
・周辺症状:認知症が基になって起こる心理や行動の症状
例:「物盗られ妄想」、「暴力・暴言」、「不眠症」など
P.174

認知症の種類】
アルツハイマー認知症
記憶力低下を含む認知障害のために生活に支障をきたしている
ゆっくりと悪くなる
局所神経症状(麻痺や固縮(筋強剛など)は見られない
が特徴

レビー小体型認知症
ゆっくりと発症・進行する認知症症状、認知機能の動揺(注意や覚醒レベルの変動と関係)
具体的で詳細な幻覚(特に幻視)
パーキンソン症候群(仮面顔貌、緩慢な動作、小刻み歩行といった錐体外路症状
などが特徴

③脳血管性認知症
・脳血管障害(脳梗塞脳出血など)による脳の損傷が原因で起こる
脳梗塞や脳内出血が起こった後、急速に神経症状が出る
ラクナ梗塞、多発性梗塞、アテローム梗塞などの場合は神経症状が徐々に進行することがある
・損傷部位や程度によって比較的保たれている部分とそうでない部分がある
のが特徴。
・他の認知症と比較してうがい、手洗いなど自分自身を清潔に保つための行動が困難→肺炎などで死亡することが多い(←肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンの接種を推奨)

補足)
ラクナ梗塞:脳の深部に小さな梗塞ができる
多発性梗塞:小さい梗塞がたくさん生じる
アテローム梗塞:脳血管の動脈硬化か凶作が起こる梗塞
P.175、177、178

認知症の生命予後】
生命予後がよい順
アルツハイマー認知症>脳血管性認知症>レビー小体型認知症
P.177

(感想&その他)

生命予後はイメージ的に脳血管性認知症が一番悪そうですが違うのですね。

別の本で肺塞栓血栓症(PE)を勉強してみた~治療・血栓溶解療法編~

 続きを書いていきます。

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【PEで血栓溶解療法をすべきか否か】
・血行動態不安定な重症PEに対しては禁忌がない限り積極的に血栓溶解療法の導入を検討
・血行動態の安定している重症ではないPEに対しては血栓溶解療法は避け、抗凝固療法のみ行う(血行動態の安定している重症ではないPEの場合、血栓溶解療法を行うベネフィット<出血性合併症のリスク)
P.288

【PEとクリアクター】
・PEに対する血栓溶解療法の唯一、適応のある薬剤はクリアクターのみ
・クリアクターの用量:13750~27500単位/kgの静注
(ただし、出血性合併症を懸念し13750~20000単位/kgと少量から開始することが多い)
P.288

(感想&その他)

ゾゾゾの早く新動画をアップロードしないかなー。待ち遠しい。



別の本で肺塞栓血栓症(PE)を勉強してみた~治療・抗凝固療法編~

 続きを書いていきます。

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【PEの治療】
治療は①抗凝固療法、②血栓溶解療法の2つに分けられる
P.287

【肺血栓塞栓症(PE)と抗凝固薬】
血栓塞栓症(PE)に対する抗凝固薬の役割
①肺動脈を閉塞している血栓に対する二次的な血栓形成の抑制
②塞栓源としての静脈血栓の進展の予防
P.287

【PEとヘパリン】
初回5000単位/回を静注→ヘパリンNa10000単位(2A)+生食38ml 2ml/hrで開始→APTT値(=活性化部分トロンボプラスチン時間)2倍を目標に速度は±0.5ml/hr/日(=±2500単位/日)で増減→急性期は6時間、治療域までAPTTが延長したら12~24時間ごとのAPTTフォロー
P.287

【PEとワーファリン】
PEに対するINR:1.5~2.5にコントロールする
(ちなみに70歳以上かつ非弁膜症性心房細動のINR目標値は1.6~2.6)
導入方法:ワーファリン5mg/日 2日間→3日目以降 2~3mg/日。INRモニタリングしながら0.5mg/日ずつ増減する
P.288


(感想&その他)
PEとAfでワーファリンの目標INRがほんの少し違うのんですね。もう同じでいいじゃんと思うのは私だけでしょうか?

ゾゾゾは落合さん、長尾くんが大好きです。



別の本で肺塞栓血栓症(PE)を勉強してみた~概略編~

 今日は前に読んだ本とは違う本でPEについて勉強したので書いていきます。

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【肺血栓塞栓症(PE)とは?】
DVTを主原因とし、肺動脈の血栓性閉塞からの急性or慢性の肺循環障害を起こした病態。重症例に至っては致死的疾患であり死亡率が高い。
P.283

【PEが慢性化すると】
PEが慢性化→肺高血圧症の一因である慢性血栓塞栓性高血圧症(CTEPH)に移行
P.283

【PEの重症度】
血行動態と心エコーにおける右心負荷所見により以下の4つに分類される
①Cardiac arrest/collapse:心停止/循環虚脱
②Massive(広汎型):血行動態不安定かつ右心負荷所見あり
③Submassive(亜広汎型):血行動態安定かつ右心負荷所見あり
④Non-massive(非広汎型):血行動態安定かつ右心負荷所見なし
P.283

(感想&その他)
 PEの患者さんは時々入院されてきますがPEが慢性化するとCTEPHになるのですね。今までCTEPHの患者さん(その人はうちでPEの治療を受けていた患者さんかは分からないです)って一人しかみたことがないのですが皆さまはいかがでしょうか?

以前にYoutubeのホラー系動画「ゾゾゾ」をよく見てると言いましたが中でも武尊神社の回の落合さんが大好きです(笑)

「奥さんが出ていきました!!2日前に出ていきました!!」


最高です(笑)

奥様戻ってきたのかな?


コロナにかかった人はワクチン1回でもいける?②

 2個目の論文はCarenetに「新型コロナワクチン、既感染者での効果は?」というタイトルで載っていた論文です。

発表者:イタリア・シエナ大学のGabriele Anichini氏
掲載日:2021 4/14
背景、目的、方法:既感染者は初回接種の10日後に、未感染者は2回目接種の10日後に血清サンプルを採取し、抗体応答を比較する
対象人数:SARS-CoV-2既感染者38人、未感染者62人
結果:
・血中循環抗スパイクIgG抗体力価は、既感染者と未感染者で有意差はなかった。
・特異的抗SARS-CoV-2中和抗体の幾何平均力価は、既感染者(569、95%CI:467〜670)と未感染者(118、95%CI:85〜152)に差がみられた。
・既感染者を感染からワクチン接種までの期間が1〜2ヵ月、2〜3ヵ月、3ヵ月以上の3グループに分類したところ、血中循環IgG抗体の平均力価は、感染1〜2ヵ月後に接種したグループと2〜3ヵ月後に接種したグループで差がみられた。
感染2~3ヵ月後に接種されたグループと3ヵ月以降に接種されたグループの間には有意差はみられなかった。

中和抗体の幾何平均力価では、感染1〜2ヵ月後に接種されたグループが437(95%CI:231〜643)、2~3ヵ月後に接種されたグループが559(同:389~730)、3ヵ月以降に接種されたグループが694(同:565~823)であった。

感染後3ヵ月以上以降に接種するとブースター反応がより効果的であることを示しているが、決定的な結論を下すには十分ではなかった。

まとめ
SARS-CoV-2既感染者のワクチン単回接種後は未感染者の2回目接種後より強い液性応答を示す可能性がある

※中和抗体:ウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体のこと


(感想&その他)
前回の研究も今回の研究も100人と規模が小さいながらもコロナ感染者は数限りある資源を有効活用するという面や副反応の面で単回投与でよいのではないかという結論のようですこれからデータが集まるにつれガイドラインにも反映されるのかなー。今回の結果がそのまま反映されるのかくつがえされるのか分かりませんが注視していきたいとおもいます。

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(個人的には病院にかかっていただいて先生から処方してもらったほうが良いのかなと思います。なぜなら病院にかかることでコロナワクチンによる副反応がどれぐらいの頻度で出るのか先生たちや製薬会社がより詳細に把握できるからです。
まだ、ワクチンが出来て時間が経っておらず未知数な部分もあります。これからより詳細なデータが集まって世界中の人が有効かつ安全にワクチンが接種できるようになればいいなーと思います)








最近は報道の影響でアセトアミノフェン(=カロナール)が入手しづらいみたいですね。
アセトアミノフェンが一番安全ではあります(腎機能が悪い方や喘息のある患者さん、妊婦さん、消化性潰瘍の方にも比較的使用しやすいです)がロキソプロフェンやイブプロフェンといったNSIADsもアスピリン喘息や腎機能障害がない、成分にアレルギーがない方、妊娠している可能性がない方、消化性潰瘍がない方にはむしろNSAIDsのほうがアセトアミノフェンよりも解熱や鎮痛効果は高いので良いのではないかと思います。

厚労省もNSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのグループ名)の使用を承認しています。また、コロナが流行り始めた初期にWHOからイブプロフェンを飲むとコロナが悪化するので飲むのを控えるようにと発表がありましたが根拠とする理由が曖昧だったり、症例数がとても少なかったこともありそのあと発表を撤回して研究中と文言を変更しています。

なので腎機能が悪い、喘息がある、今までに薬でアレルギーが出た、妊娠中、消化性潰瘍になったことがあるといった方でない限りロキソプロフェンやイブプロフェンといったアセトアミノフェンではない解熱鎮痛剤でも問題ないのではないかと個人的には思います。以下にイブプロフェンやロキソプロフェンを含んだ市販の解熱鎮痛剤のリンクを貼っておきますのでどうしても受診できないという方はお買い求めください。





コロナにかかった人はワクチンどうするの?

 今日はタイトルにある通りコロナにかかった人のワクチン接種について少し調べてみたので書いていきます。

厚労省HPより↓
Q. 新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか?
A. 既にコロナウイルスに感染した人も、新型コロナワクチンを接種することができます。

ただし、接種まで一定の期間をおく必要がある場合がありますので、いつから接種できるか不明な場合は、主治医にご確認ください。
なお、事前に感染したかどうかを検査して確認する必要はありません。

(※)米国CDCからは以下のような見解が示されています。
・隔離を中止するための基準が満たされるまで延期する必要がある。
新型コロナウイルス再感染のリスクは感染後の最初数か月では低く、免疫力の低下により時間とともに増加する可能性があることが示唆されていることから、最近新型コロナウイルス感染症に罹患した人は、必要に応じてワクチン接種を一時的に遅らせることを選択できる。
・加えて、モノクローナル抗体または回復期血漿での治療を受けた場合は、治療から少なくとも90日以降にワクチンを接種することが勧められる。



(感想&そのほか)
コロナにかかってモノクローナル抗体や回復期血漿治療を受けた人は90日以上間隔をあけたらワクチン打ってもいいってことみたいですが無治療だったり、カロナールトランサミンなど対症療法程度の投薬をうけた人たちはどれぐらい開ける必要があるんですかね?ご存知の方がいたら教えてください。


最近、私がハマっていることはYou Tubeでホラー系の動画を見ることです。ナナフシギ、三木大雲チャンネル、とくもりざうるす、OKOWAアーカイブ、ゾゾゾ、ダラシメン、琉球あぎじゃびなどをよくみています。
興味のある方はぜひご覧ください。

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コロナにかかった人はワクチン1回でもいける?①

 今日はコロナにかかった人はワクチンは1回接種でもいいんじゃないか?という論文が2つあったので書いていきます。

まず1つ目は日経メディカルに載ってた「既感染者へのCOVID-19ワクチン(※1、2)は1回が適切」というタイトルで書かれていた論文です。

発表者:米国Mount Sinai Icahn医科大学のFlorian Krammer氏
掲載日:
背景&目的:SARS-CoV-2ワクチンの接種を受けた既感染者の抗体反応と有害事象の発⽣率を未感染者の場合と⽐較
対象人数:109⼈(抗体陰性の68⼈と抗体陽性の41⼈)
結果:

効果の比較)
未感染者のスパイク蛋⽩質(※3)に対する抗体価(※4)の中央値
接種前:1(68⼈)、初回接種9〜12⽇後:439(13⼈)、初回接種13〜16⽇後:1037(15⼈)、初回接種17〜20⽇後:1037(15⼈)、初回接種21〜24⽇後:1075(11⼈)
2回⽬接種後:1399(21⼈)

既感染者のスパイク蛋⽩質に対する抗体価の中央値
初回接種前:91(41⼈)、初回接種5〜8⽇後:14208(15⼈)、初回接種9〜12⽇後:20783(8⼈)、初回接種13〜19⽇後:25927(20⼈)、初回接種17〜20⽇後:102661(5⼈)、初回接種21〜24⽇:16263(4⼈)
2回⽬接種後:22509(20⼈)

→既感染者の場合はワクチンの初回接種後、速やかに免疫反応が起こり、誘導される抗体価は未感染者の2回目接種後と同レベル以上だった。
(既感染者の抗体価は、評価されたどの時点でも、未感染者の10〜20倍⾼く、さらに、再接種後の抗体価も未感染者の10倍を超えていた)

副反応の比較)
未感染者と既感染者で副反応の発生率に差はなかった
未感染者、既感染者ともに最も多く⾒られた副反応は注射部位の症状(疼痛、腫脹、紅斑)(しかし、疲労感、頭痛、悪寒、発熱、筋痛または関節痛などの全⾝性の症状は既感染者に有意に多く発⽣していた。)
既感染者では初回接種後に未感染者の2回接種後の人々に報告されていると同様の全身性の反応が見られた。

まとめ
SARS-CoV-2感染歴のある人に対するワクチンの接種は単回でも十分な効果が得られ、有害事象を減らせると考えられている。

(※1コミナティ:SARS-CoV-2のスパイクタンパク質の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤でmRNAワクチンと呼ばれる)
(※2コミナティの作用機序:コミナティ(mRNA)接種→mRNAがヒトの細胞内に取り込まれる→接種されたmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生される→スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導される→SARS-CoV-2による感染症の予防が可能になる)
(※3スパイク蛋白質:ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)
(※4抗体価:値が大きい程、中和活性(※5)が高いことを示す)
(※5中和活性:ウイルスの感染力又は毒素の活性を中和する)

補足参考:厚労省HP



(感想&そのほか)
この前私がYoutubeでホラー系の動画を見るのが好きというのを書きましたが私には霊感や霊体験は全くありません(笑)

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最近は報道の影響でアセトアミノフェン(=カロナール)が入手しづらいみたいですね。
アセトアミノフェンが一番安全ではあります(腎機能が悪い方や喘息のある患者さん、妊婦さん、消化性潰瘍の方にも比較的使用しやすいです)がロキソプロフェンやイブプロフェンといったNSIADsもアスピリン喘息や腎機能障害がない、成分にアレルギーがない方、妊娠している可能性がない方、消化性潰瘍がない方にはむしろNSAIDsのほうがアセトアミノフェンよりも解熱や鎮痛効果は高いので良いのではないかと思います。

厚労省もNSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのグループ名)の使用を承認しています。また、コロナが流行り始めた初期にWHOからイブプロフェンを飲むとコロナが悪化するので飲むのを控えるようにと発表がありましたが根拠とする理由が曖昧だったり、症例数がとても少なかったこともありそのあと発表を撤回して研究中と文言を変更しています。

なので腎機能が悪い、喘息がある、今までに薬でアレルギーが出た、妊娠中、消化性潰瘍になったことがあるといった方でない限りロキソプロフェンやイブプロフェンといったアセトアミノフェンではない解熱鎮痛剤でも問題ないのではないかと個人的には思います。以下にイブプロフェンやロキソプロフェンを含んだ市販の解熱鎮痛剤のリンクを貼っておきますのでどうしても受診できないという方はお買い求めください。





深部静脈血栓症(DVT)について別の本でも勉強した④

 続きを書いていきます。

 

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【抗血小板薬と抗凝固薬の大まかな使い分け】

・動脈血栓:血小板を主体に形成される血栓。「血小板血栓」、「白色血栓」とも呼ぶ。抗血小板薬による血小板の沈着抑制、凝集抑制が必要

 

・静脈血栓:赤血球、フィブリンを主体とした血栓。「フィブリン血栓」、「赤色血栓」とも呼ぶ。抗凝固薬による凝固能亢進の抑制が必要

P.285

 

【DVTの時期により抗血小板薬を用いることがある】

☆基本、静脈の血栓であるDVTの治療は抗凝固薬である。(抗凝固療法は急性期における有効性&慢性期での血栓症再発予防において有効であるため)

DVT急性期:抗血小板薬は基本使用しない(静脈血栓の発症メカニズムから考えて効果不十分。)

DVT慢性期:出血性合併症を発症したが抗凝固療法の継続が望ましい場合、低用量アスピリンへの切り替えを行うことがある(ただし、DVT再発予防効果は抗凝固療法に比べ落ちる)

P.286

深部静脈血栓症(DVT)について別の本でも勉強した③

 続きを書いていきます。

 

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【DVTの治療目標】

血栓の進展&肺血栓塞栓症(PE)を予防すること

血栓後症候群(PTS)発症を最小限に留めること

③DVTの再発を予防すること

 

血栓の進展&肺血栓塞栓症(PTE)を予防すること

抗凝固療法は血栓進展、PEの予防、DVT発症予防に用いる

使う薬剤:ヘパリン、DOAC、ワーファリン

 

血栓後症候群(PTS)発症を最小限に留めること

抗凝固療法のほか全身的血栓溶解療法、カテーテル血栓溶解療法(CDT)がPTS発症予防として使用されることがある。

補足)血栓後症候群(PTS):重症DVT後に発症する後遺症の1つ。静脈の慢性閉塞や慢性閉塞に伴う静脈弁機能不全により下肢倦怠感や難治性皮膚潰瘍など患者のADLを著しく低下させる

 

血栓溶解療法(ウロキナーゼ):DVT再発予防効果、PTS発症予防効果あり。

(t-PAに関してはDVTに適応がない&高率の出血性合併症があるためt-PAをDVTに使用することは推奨されていない)

 

カテーテル血栓溶解療法(CDT):PTSの発症を抑制する。カテーテルで直接的に血栓溶解剤(ウロキナーゼ)を投与でき、血栓溶解剤(ウロキナーゼ)の使用量を減らせるので全身投与よりも安全。

 

カテーテル施行中は血栓伸展防止および再発予防のために未分画ヘパリンによる抗凝固療法が併用→経口可能となれば経口抗凝固薬(DOAC、Wfなど)→その後血栓を生じたリスクに応じて抗凝固療法を継続

 

CDTのよい適応:腸骨大腿静脈領域のDVT,症状発現から14日未満 の急性血栓,良好な身体機能,1年以上の生命予後,出血リスクの低い患者

 

③DVTの再発を予防すること

再発予防のための抗凝固薬の内服期間

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・生涯、抗凝固療法の継続が必要である場合も少なからずある

=慢性期において出血性合併症のリスクとなる

→ここでいう「より長期投与」=「いつまで抗凝固薬を使用するかの明確な答えはない」

→ここでいう危険因子は「DVTのリスク因子」を参照

 

 

 

 

・DVT再発予防内服におけるリスクとベネフィットを考えるときに参考にする項目

①病型(末梢型、中枢型)

②誘発因子およびPTE合併の有無

③年齢

④慢性期での下肢静脈エコーや造影CTの所見(残存血栓の有無、可動性、エコー輝度)、D-ダイマー値

⑤出血性合併症の有無

 

→上記を勘案しながら抗凝固薬の継続期間や投与量を調節する

 

・DVTの再発予防で内服していた抗凝固薬をやめた後の注意点

血流停滞を引き起こす脱水、長時間の同姿勢保持の回避、弾性ストッキング着用の指導し、再発予防に努める

・抗凝固療法の生涯継続が必要である場合もある

 

 

P.282、286、肺血栓塞栓症および深部静脈血栓塞栓症2017P.30、64、66

深部静脈血栓症(DVT)について別の本でも勉強した②

 続きを書いていきます。

 

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【DVTの血液検査】

血栓の有無:D-ダイマ

病因検査:血栓性素因(プロテインC、プロテインS、アンチトロンビン)、自己抗体(ループス抗凝固因子、抗カルジオリピン抗体)

P.281

 

【DVTのリスク因子】

血流停滞

・長期臥床、長距離旅行(エコノミー症候群)

・肥満、妊婦

・うっ血性心不全、急性心筋梗塞

・脳血管障害、下肢麻痺、静脈瘤など

血管内皮障害

・手術による損傷(整形外科、産婦人科など)

・外傷、骨折、火傷

・中心静脈カテーテル留置、静脈炎など

血管凝固能亢進

血栓性素因

 先天性凝固阻止因子欠乏症(アンチトロンビン欠乏症、プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症)

 線溶異常症(異常プラスミノーゲン血症)

 後天性血栓性素因(抗リン脂質抗体症候群、高ホモシステイン血症)

・悪性腫瘍、経口避妊薬エストロゲン製剤服用、手術、妊娠、ネフローゼ症候群、脱水、多血症など

P.281