病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

尿路感染症(治療②)

 尿路感染症の続きを書いていきます。

 

 


 

 

【尿路感染症を疑ったら血液培養を】

・尿路感染症は除外診断のため(=血液培養と尿培養が違う結果が出た時、尿路感染以外を疑う判断材料になる。)

→血液培養の菌名から診断・治療の軌道修正が迅速に可能。

・尿路感染症は菌血症の頻度が高いため

P.21

 

【培養結果で感受性ない菌が出た場合】

培養結果で感受性のない菌が出ても臨床的に改善している場合は出た菌を無視しても良い。

P.21

 

【尿培養から生えた菌で無視してよい菌】

黄色ブドウ球菌カンジダは起因菌であることはかなりマレなため無視しても良い。

P.21

 

【無症候性カンジダ尿症とは?】

・尿培養からカンジダが生える(特に尿道カテーテル挿入中の患者では多い)が熱などの症状が何もないような状態。

・ほとんどの場合、治療不要

尿道カテーテルが挿入されている場合、抜去するだけで40%はカンジダが消失。

尿道カテーテルが挿入されている場合、交換するだけでも20%カンジダが消失。

P.24

 

【ただし、治療が必要なカンジダ尿症もある】

・尿路感染症の症状がある

・腎移植を受けた患者

・好中球減少時

・泌尿器系の手術や処置が予定されている患者

・低体重出生時

P.25

 

カンジダ尿症の治療薬】

尿路への移行性の良いFLCZ(ジフルカン)、AMPH-B(ファンギゾン、アムビゾーム)を選択。

(※MCFG(ファンガード)は尿路への移行性が悪いため避ける)

P.25

 

今日は入籍記念日だったので夜は普段口にできないお寿司を食べました(銀のさらですけどね(笑))

 

 

 

尿路感染症(治療①)

 今日もこの本に書いてある尿路感染症について書いていきます。 


 

 

【単純性尿路感染症の起因菌】

大腸菌(E.coli)

89%

複数菌

5%

クレブシエラ(Klebsiella)

4%

プロテウス(Proteus)

4%

その他

2%

酵母菌(Yeast)

0%

腐性ブドウ球菌

(Staphylococcus Saprophticus)

0%

腸球菌(Enterococci)

0%

緑膿菌(P.aeruginosa)

0%

 →単純性尿路感染症の起因菌はほとんどが大腸菌

P.19

 

【複雑性尿路感染症の起因菌】

大腸菌(E.coli)

32%

腸球菌(Enterococci)

22%

緑膿菌(P.aeruginosa)

20%

その他

20%

複数菌

10%

クレブシエラ(Klebsiella)

5%

プロテウス(Proteus)

4%

酵母菌(Yeast)

1%

腐性ブドウ球菌

(Staphylococcus Saprophticus)

1%

→複雑性尿路感染症の起因菌大腸菌の他に緑膿菌や腸球菌など他の菌、複数菌の関与も考慮する必要がある。

P.19

 

【複雑性尿路感染症~培養途中経過判明前~】

TAZ/PIPC 4.5g×4

・全身状態が悪く、ESBL産生菌が過去に検出されている場合はMEPMも考慮。

P.20

 

【複雑性尿路感染症~培養途中経過判明前~】

グラム陰性桿菌のみの場合

CFPM1g×3

グラム陽性球菌のみの場合

ABPC2g×4

グラム陽性球菌とグラム陰性桿菌の両方の場合

TAZ/PIPC4.5g×4

・グラム陰性桿菌で全身状態が極めて悪く、ESBL産生菌が過去に検出されている場合はMEPMも考慮

P.20

 

【複雑性尿路感染症~起因菌判明後~←感受性結果に応じて狭域の抗菌薬に変更する】

感受性の良い腸内細菌の場合

ABPC2g×4

緑膿菌の場合

CAZ1g×4もしくはCFPM1g×4

腸球菌(E.faecalis)の場合

ABPC

腸球菌(E.faecium)の場合

VCM

P.20

 

 

 

P.Sこの前これ↓を買いました。抱っこするのがだいぶ楽になりました。

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尿路感染症(治療以外)

 今日はこの本で尿路感染症を勉強したので書いてきます。

 

 


 

【尿路について】

・尿路:腎臓→尿管→膀胱→(男の場合:前立腺/精巣)→尿道

・管腔臓器では原則、熱が出ない。

(熱が出るのは腎盂腎炎、前立腺炎/精巣上体炎)

P.16

 

【尿路感染の分類】

背景因子から①単純性尿路感染症、②複雑性尿路感染症に分類される。

(単純性と複雑性では起因菌が異なる)

P.16

 

【複雑性尿路感染症の条件】

  • 尿流を障害する解剖学的問題や異物の問題があるか?

前立腺肥大症、膿瘍、結石、カテーテル、神経因性膀胱、妊婦など

  • 患者の免疫状態に問題ないか?

→悪性腫瘍、糖尿病、移植後、好中球減少、HIVなど。

★「若い(閉経前)女性で妊娠しておらず尿路や免疫状態に問題がない人」以外=複雑性とする。

(☆単純性とは複雑性以外のものをいう

P.16

 

【高齢者の腎盂腎炎】

・無症候性(熱以外に症状がはっきりしない)なことが多い

・特に長期臥床高齢者など、カテーテルが挿入されている場合は発熱のみのことが多い。

P.17

 

【臨床で尿路感染が否定できる条件】

高齢者の尿検査が全く異常ない=尿路感染は否定的

P.17

 

【尿路カテーテル留置患者の細菌尿について】

カテーテル管内にバイオフィルムが形成されている

・30日以上カテーテルを留置している場合、ほぼ全例で細菌尿が起こっている。

カテーテルバイオフィルムを形成していても感染症を引き起こすのは10%以下、敗血症にいたるのはその中でも3%

・「尿道カテーテル留置患者の発熱+細菌尿・膿尿」=尿路感染症!とはならない。

P.18

 

 

 P.S 今日は子供がテーブルの角などにぶつかっても大丈夫なようにこれを貼りました。ちょっとイメージと違いましたがまぁいいでしょう。

 

 

 


 

記事にするほどではないですが

 記事にするほどではないですが今日は外用剤の開封後の期限をよく質問された1日だったので書いていきます。

 

キシロカインポンプスプレー、キシロカインビスカス、4%キシロカイン

→メーカーとして開封後の期限は設定していないが開封後30日間、微生物が生えなかったというデータから30日間をアナウンスしているとのことでした。

 

 

えー、今日はこれだけです(笑)

 

皆さんのところでは軟膏などの外用剤の開封後の期限はどのように設定していますか?宜しければ教えていただけると幸いです。

 

P.S今日はコロナワクチンを打つか否かを報告する日でした。

 

私は打ちます。

 

 

 


 

PDE-Ⅲ阻害薬とβブロッカーってなんかモヤモヤする

 

 βブロッカーを飲んでる患者さんにDOBやPDEーⅢ阻害薬がオーダーされるとモヤモヤしてたんです。

 

なぜならβブロッカーは心臓を休める、DOBとPDEーⅢ阻害薬の作用は心臓の働きを強めるのが効果じゃですか!!併用したら作用的に相殺しちゃうんじゃないか?と思ってたんです。

 

今日も「処方Q&A 循環器疾患」で調べました。

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まず結論から言うとβブロッカー内服中にDOBやPDEーⅢ阻害薬を併用するのは「ない」処方ではないようです。

 

【DOB、PDEⅢ阻害薬とβブロッカー】

・β遮断薬を導入・増量する場面にβ遮断薬増量で心不全が悪化してしまう可能性のある重症心不全例ではDOB、PDEⅢ阻害薬を導入すると比較的安全(=βブロッカーにより心不全が悪化しない)にβブロッカーを導入しやすい。

→慎重にDOB、PDEⅢ阻害薬を漸減しつつβブロッカーを漸増するとイメージすると分かりやすい

P.100

 

 

 

と記載されていたんですがうーん…。わかったようなわからないような…(笑)

 

blog.hatena.ne.jp

 

 前に書いた日記に書いた「βブロッカーはβ受容体のダウンレギュレーションを防ぐ」というのを考えるとβ受容体を介さないPDE-Ⅲ阻害薬の併用は意味があるように思えますがβ刺激薬であるDOBは意味が分かりません(笑)

 

 

 

 具体的なβブロッカー内服中にアカルディを導入する方法↓

【βブロッカー導入、増量時のアカルディ】

・βブロッカー導入、増量する3~4日前からアカルディ2.5mg/分2を導入

(↑この方法だとEF10%程度の心臓でもアーチスト10~20mg/日まで漸減できることが多い)

↑筆者の先生はアーチスト10~20mgまで増量できると書いてらっしゃいますが当院における個人的な印象としてはさすがに盛りすぎなんじゃないか?と思います(笑)

 

 

 

P.Sこの前、ある循環器の先生がアーチストを元々飲んでる患者さんが入院してドブトレックス(ミルリーラではない)が処方されました。

 

先生から「作用が反対だからねー」とアーチストを中止するように指示がありました。その時はあーあ、OPTIMIZE-HF試験にβブロッカーは中止すると死亡率が上がると書いているのにやめていいのかなーと思いながら、指示に従ってアーチストを配薬カートから抜きました。

で、そのままアーチスト中止したまま(再開し忘れ?)退院となりました。

 

OPTIMIZE-HF_循環器トライアルデータベース (ebm-library.jp)

 

あれは良かったのかなと思っていたんですが

 

f:id:aisonashiyakuzaishi:20210205202854p:plain

上記のような記載がガイドライン(急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)P.37にあり、アーチスト+DOBは結構動態を悪化させると記載されています。

 

DOBを中止するタイミングで再開しなかったのはダメだと思うけどDOB使用中にアーチストを中止したのは正解だったのかな?先生はこのことまで理解しての指示だったのかな?(アーチストを中止するときに言っていた「作用が反対だからねー」からはとても思えないけど)

 

っていうかなぜミルリーラじゃなかったんだ?(笑)(腎機能悪くなかったです)

 

 

 

・今日の晩御飯はふるさと納税で頼んだもつ鍋(〆にラーメン)らしいです。楽しみだなー。 


 

血圧の日内変動

  今日は血圧の日内変動をいつもの本で調べたので書いていきます。

 

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【血圧の日内変動パターン】

・血圧の日内変動パターンは以下の4つに分けられる

Dipper型(夜間血圧の下降度10~20%)

Non-dipper型(夜間血圧の下降度10%未満)

Riser型(夜間血圧が上昇)

Extreme-dipper型(夜間血圧の下降度20%以上)

 

通常、就寝中は副交感神経が優位となるため脈拍、血圧の低下を認める が「夜間に血圧が下がらない」Non-dipper型、「夜間に血圧が上昇する」Riser型は心血管イベントのリスクが高い=降圧剤の内服時間や内服間隔を再検討する。

 

 【血圧の日内変動パターンと治療薬】

・早朝高血圧:交感神経の亢進、起立時の圧受容体反射障害が関与

→アテレック、カルブロックで対応

・24時間の持続的な降圧

アムロジン、テノーミン、ディオバンで対応

 

 

 P.S入院している患者さんに家での血圧って大体どれぐらいですか?ってなるべく聞くようにしているのですが時々、自前のノートにびっしり数字が書いているのを拝見します。自分だったらこんなにきっちりやらないだろうなーと思ってしまう、ずぼらな薬剤師。

友人から勧められた本です。時間とお金に余裕があったら買って読んでみようかな?↓


 

 

 

糖尿病合併の高血圧(治療編)

 今日はいつもの本&2019年高血圧ガイドラインで糖尿病合併の高血圧を勉強したので書いていきます。

 

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 f:id:aisonashiyakuzaishi:20210220135048p:plain

【糖尿病合併高血圧(CKDなし)にACE-I、ARBを選ぶ理由】

→降圧作用の他に「糖尿病性腎症への発症進展を抑制→アルブミン尿を軽減する作用」が証明されているため

・チアジド系利尿剤は糖尿病合併高血圧には使用しづらい

→チアジド系利尿剤は糖・脂質代謝への悪影響+低K血症、高尿酸血症などの代謝性副作用があるため

・Ⅱ度高血圧(常時160/100mmHgを超える高血圧)

→最初からACE-I、ARBにCa拮抗薬を併用することも検討される

 

【糖尿病合併の高血圧の治療】

・糖尿病患者では夜間血圧が低下しないタイプ(non-dipper型)の血圧変動を示すことが多く、食塩感受性も高い

・糖尿病患者では起立性低血圧を起こすこともある

(↑糖尿病により血管内皮障害&糖尿病性神経障害による)

・糖尿病合併高血圧の降圧薬を選択する上で重要なことは①腎機能低下が抑制されるか?②インスリン抵抗性の病態を悪化させないかどうか?である。

 

 

P.229、230、2019年高血圧ガイドライン P.126

 

P.S今日は家族で娘の送り迎え用の電動自転車を見にヨドバシに行きました。試乗もできてとても良かったです。

 

 


 

 

CKDを合併した高血圧について(治療編②)

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【CKD患者への推奨降圧薬でCa拮抗薬を使う状況】

・CVDハイリスク患者動脈硬化が進行して血圧の変動が大きい場合)

・Ⅲ度高血圧(第1選択薬投与前or第1選択薬投与開始後においてSBP≧180mmHg or DBP≧110mmHg)

・腎保護作用の効果:アテレック、カルブロック>アムロジン

 

【CKD+高血圧にACE-I、ARBの試験】

文献:Katayama S,et al:Diabetes Res Clin Pract,55(2):113-121,2002.

試験対象:尿中アルブミン排泄量≧30mg/日、血清クレアチニン≦2mg/dlのⅠ型糖尿病患者にタナトリル

結果:I型糖尿病腎症において尿中アルブミン排泄量が優位に低下

→タナトリルはACE-I、ARBで唯一、Ⅰ型糖尿病性腎症に適応がある

 

RENNAL試験

試験対象:尿アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上の糖尿病患者

結果:ニューロタンに腎保護効果が認められた

 

 

【CKDにACE-I、ARB導入した時の注意点】

・一過性の腎機能低下、高K血症の副作用あり

・血清Cr 2mg/dL以上では最小用量から開始

・血清Crが前値から30%増(前値×1.3以上)or血清Crが前値から1mg/dL以上の上昇or血清K5.5mEq/L以上の場合→中止

 

 

 

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P.S①子供が時々、テーブルの角に頭をぶつける(それだけ身長伸びたんだなー)ので最近、買いました。早く届くといいな↓


 

 

P.S②コロナワクチンを打つか打たないかという連絡が回ってきました。

 

私は打ちます

 


 

ロケルマが院内採用になった

 今日は院内採用になった高K血症治療薬「ロケルマ」を日経DIで調べたので書いていきたいと思います。

ソース画像を表示

 

 

【ロケルマの特徴】

ロケルマはほぼ選択的にカリウムイオンを捕捉できる

(他の陽イオン:MgイオンやCaイオンなどはほぼ影響を受けない)

・ ケイキサレート、カリメートなどは、カリウムイオンよりもそれ以外の陽イオン(CaイオンやMgイオン)の吸着量が多い

(=低Ca血症や低Mg血症と起こす可能性がある)

 

  

 

【ロケルマの用法・用量】

・体内で安定して作用させるために開始用量と維持用量が異なっている。

(非血液透析患者)

・開始用量:最初の2日間は1回10gを1日3回服用

(血清カリウム値が高いなどの場合には、最初の3日間に1回10gを1日3回服用)

・維持量:開始用量の後、5gを1日1回服用

(※維持用量の最高用量は1日1回15g)

 

血液透析患者)

非透析日に1日1回5gを水で懸濁して服用する

(※最高用量は1日1回15g)

 

【ロケルマ服用方法の注意点】

 1回約45mL(大さじ3杯)の水で懸濁する。

(溶解しにくいため、十分に懸濁し、沈殿する前に服用する必要がある)

(服用後、薬が容器などに残っていた場合には再び水に懸濁して服用する)

 

【メーカーさんに教えて頂いたこと】

・ロケルマとロケルマ以外の高K血症治療薬(カリメートやアーガメイトなど)との等価換算などはありますか?

→ない。また、ロケルマ以外の高K血症治療薬との直接比較した試験もない。

 

・ロケルマの効果発現はいつから出ますか?

→ 血清カリウム低下作用は、投与1時間後から認められており24時間後には63.3%、48時間後には89.1%が正常域に達する。

(血清カリウム低下作用が早いとはいえ、緊急透析やグルコースインスリン療法等の既存の緊急治療の代替での使用経験はなく、有効性及び安全性は確立されていないので緊急性がある場合にロケルマは使用しない)

 

・ロケルマの維持量は分1ってなっていますが分服は可能ですか?

→試験を行っていないため不明

 

・なんで開始量は3日目までなんですか?

→J-DFS試験において、ロケルマ 10 g 1日3回群の投与48時間後(2日間)に正常カリウム値に達した患者の割合は91.7%、ロケルマ10 g1日3回72時間(3日間)の投与を要した患者は0.7%(1例)のみであった。(=3日間投与したらほとんどの患者さんがよくなるハズだからということ?)3日間投与しても改善しない場合は他の高K血症治療を検討する

 

・ロケルマ5gを隔日投与という処方箋がある問題ないですか?

 →J-LTS試験でそのようなオーダーがある。

J-LTS試験では5 g 隔日投与又は2.5 g1日1回まで増減可とする用量調節スキームを用いて、長期投与時の安全性及び有効性を検討している。2.5 g 1日1回又は5 g 隔日投与を必要とした患者はごく少数で、個々の患者に明らかな差は認められなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的には

MgやCaを低下させたくない患者さんにはいい薬だなと思いました。

 

ただですね、

 

水で溶かさないといけないという手間があるっていうのと

 

 

 

値段、高すぎじゃないっ!?

 

ロケルマ懸濁用散分包5g:1095.20円

カリメート経口液20%25g:77.80円

ケイキサレート散:15.80円

 

 

 

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CKDを合併した高血圧について(治療編①)

 

 今日はいつもの本+CKDガイドライン2018でCKDを合併した高血圧の治療について学んだので書いていきます。

 

【CKDの降圧療法】

・CKDの降圧目標:130/80mmHg未満

・高齢者+CKDの降圧目標:140/90mmHg未満(降圧療法にて腎機能低下や臓器障害がないことを確認して130/80mmHg未満を目指す)

(※年齢、DM合併の有無に関わらず、CKDステージどのステージでもSBP:110mmHg未満には降圧しない)

(↑110mmHg未満だとESKD(末期腎不全)の有意な増加が認められたため)

・ACE-I、ARBは他のタイプの薬より尿タンパク減少効果に優れる

・ACE-I、ARBの腎保護効果は尿タンパク・尿アルブミン排泄量が多いほど期待できる

アルブミン尿改善効果が良好な程、CVDイベント抑制効果もよい

 

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(※CKDステージG4~5or高齢者のCKD患者→ACE-I、ARB投与により開始初期に腎機能増悪や高K血症が起こる可能性があるので慎重に少量からの導入を行う)

 

 

 

 本ではCKD患者さんに対してどのステージでもSBP:110mmHg未満にはしないって書いてありますが割かしうちの病院では110mmHg下回ってても治療継続することあるなーと思ったそんな一日。

 

 

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CKDを合併した高血圧について

 今日はCKDを合併した高血圧について例の本で勉強したので書いていきます。

 

【慢性腎不全(CKD)と高血圧】

☆高血圧⇆CKD

高血圧とCKDはお互いに作用しあう

・高血圧はCKDと原因となり腎機能を悪化させる

・CKDは高血圧の原因となり、高血圧の増悪因子となる

 

【CKD患者に降圧する意義】

☆CKDの進行抑制

降圧によりCKD進行を抑制する→心腎連関の悪循環が断ち切れる→心血管疾患の抑制=生命予後を改善する

 

f:id:aisonashiyakuzaishi:20210215221937p:plain

補足)

・試験紙法)

尿タンパク(1+):30mg/dLに相当

尿タンパク(2+):100mg/dLに相当

尿タンパク(±):10~15mg/dLに相当

→尿タンパクが定性反応で(±)以上であれば定量評価を行う

 

・尿タンパク/Cr比(g/gCr)=尿タンパク/尿クレアチニン =0.15(g/gCr)以上をタンパク尿陽性と判断(血清クレアチニン(sCr)ではないので注意)


 

P.S今日、クレアチニン7って患者さんが入院してきました。

うちの病院、透析ないけどどうするんでしょう?

 

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降圧目標について勉強してみた

 今日は2019年高血圧ガイドラインと処方Q&A 循環器疾患で降圧目標について勉強したので書いていきます。

 

【降圧する究極目的】

降圧することで諸臓器を保護し、心血管障害、脳血管障害を予防すること!

 

 

f:id:aisonashiyakuzaishi:20210215214109p:plain

 

ちなみに降圧目標の設定基準が複数ある場合:血圧の数値が高い方の血圧基準を目標とするそうです。

(例:75歳以上の高齢者が糖尿病合併例の場合は<140/90mmHgとなる)

 

こんなこと聞かれたこともないし、疑問にすら思いませんでしたが個人的に印象に残った本の内容↓

【Ca拮抗薬とCaサプリメントの併用】

Ca拮抗薬内服中であってもCaの摂取を制限する必要はない

←Ca拮抗薬にはCaと拮抗する作用やCaイオンの吸収過程を阻害する作用はないため

P.238、239

 

 

 

P.S当院に入院している患者さんは80、90歳がザラなので150~160mmHgぐらいでもまぁって感じで経過観察することも多いかなと思います。

 

 

 

 

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新人相手にマウント取っても…

 今日も処方鑑査をしていた新人が怒られていました。


処方内容は整形外科から


フェロミア50mg3錠/分3


大体の方が2錠/分2もしくは4錠/分2じゃないと思うと思うんですがこの新人は通してしまったんですね。


で、やっぱり先生の勘違いだったんです。4錠/分2に変更になりました。


また、例の上の人たちにガチギレされてました。


いや、でもね以前、同じことがあってメーカーさんに聞いたら胃腸症状が出るようなら投与量を変更せず、分服回数を増やすという方法もあるとのことなんです。


分3という方法もあるらしいんです。


そのことを踏まえてのガチギレなんだろうか?


そう思わざるを得ないやるせない気持ちになった一日でした。

大動脈解離の患者さんが入院してきた③

 今日は大動脈解離の治療目標などをいつもの本で調べたので書いていきます。

 

【注射薬→内服薬への切り替え】

・急性期のなるべく早い時期から内服降圧剤を開始する

(↑内服降圧剤は降圧作用が十分に発揮されるまでに日数を要するため)

 

【大動脈解離の急性期管理のポイント】

①SBPを100~120mmHgを目標にコントロール

②SBPをできるだけ下げて、解離の進行と破裂を防止する=左室収縮期圧を低減し、大動脈壁のずり応力を低下させる

③血圧や脈拍の詳細な調整が必要なため急性期は静注薬が必要

④心拍数を上昇させない薬を選ぶ

⑤亜急性期は病態を見ながら静注薬から内服薬に切り替える

⑥鎮静&絶対安静が重要。必要ならモルヒネなどの麻薬や鎮静薬も考慮

 

【大動脈解離の慢性期治療】

・発症から2週間以上経過した慢性期の大動脈解離例の予後は良好

・βブロッカーは入院などの解離関連事故を減らすという報告あり

・ACE-Iは腹部動脈瘤の破裂を予防するという報告あり

・SBP<130~135mmHgを目標とする(再解離&破裂の予防目的)

 

 

 

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大動脈解離の患者さんが入院してきた②

 今日は大動脈解離の各種治療薬について書いていこうと思います。

 

【大動脈解離とβブロッカー】

・第一選択薬:インデラル注 0.02mg/kg/hr(=0.33μg/kg/min=0.33γ)で持続点滴

(↑血圧や心拍数をモニターしながらこまめに調節するのが大事)

 

方法

①急性期:インデラル注の持続点滴(作用時間が短いため)

急性期→亜急性期、慢性期に移行+血圧、心拍数が安定している:長時間作用型のメインテート、テノーミンに切り替える

②βブロッカーの内服+血圧をCa拮抗薬の注射薬で調節する方法もある

 

【大動脈解離とCa拮抗薬】

・DHP系Ca拮抗薬:血行動態の管理に向いている(動脈だけ拡張させる&静脈や心筋には影響が少ないため)

・ペルジピン原液 1~2γ(=μg/kg/min)持続点滴(血圧をモニタリングしながら)

(↑時々、静脈炎が起こるので中心静脈から投与するか希釈して投与することが多い)

・来院時or発症時の血圧はそこまで高くないが心拍数が高い場合:ヘルベッサー注 5~15γ(=μg/kg/min)持続点滴

 

【大動脈解離とミリスロール】

・①Ca拮抗薬にて十分な降圧が得られない場合、②肺静脈うっ血を伴う心不全合併例

→Ca拮抗薬+ミリスロールの併用も考慮する

 

【大動脈解離とハンプ】

心不全合併例

→ハンプ(心拍数上昇がなく、ある程度の血圧低下作用も望めるため)

 

 

P.Sニュースによると地震はあと1週間、予断を許さないとのことらしいですね。怖いなー。

 

 

 

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