病院薬剤師と処方箋

日々の処方鑑査や患者さん、お医者さんから質問されたことを自分なりに調べてアウトプットするブログです。

感染性心内膜炎について学んだった①

 今日は今まで数例しかみたことのない感染性心内膜炎(IE)をいつもの本で勉強したので書いていきます。

 


 

【不明熱+血培】

不明熱+血液培養2セットからグラム陽性球菌→感染性心内膜炎が疑われる

P.126

 

【感染性心内膜炎の致死率】

IEの致死率は20~25%と高い。

P.126

 

【感染性疹な内膜炎の診断方法】

IEの診断には「Modified Duke Criteria」を用いる

P.127

 

【感染性心内膜炎のハイリスク因子】

  • 心臓弁膜症

(↑近年ではリウマチ性弁疾患はマレで5%未満)

  • 僧帽弁逸脱症

(僧帽弁逸脱症(MVP):左心室が収縮する時に僧帽弁の弁尖が左心房内に突きでる疾患。心房内への血液の逆流が起きることもある)

  • リウマチ熱の既往(近年ではかなりマレ)
  • 先行する抜歯の病歴、口腔内、特に歯の不衛生状態
  • 長時間の人工透析
  • 糖尿病
  • HIV
  • 注射による薬物乱用者
  • 埋め込み型カテーテル挿入患者

P.128


 

今全く話題ではないワクチンを書いてみた

 今日は何かと話題のワクチンのことを書いていこうと思います。

 

ただ、コロナワクチンではないですよ。

 

いつもの本にワクチンのことが載ってたので書いていきます。

 


 

【肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)】

・65歳以上は全例適応と考える。

・特に65歳以上で糖尿病、心疾患、慢性肺疾患、脾機能不全、慢性免疫不全(担癌患者、リウマチ、膠原病患者、HIVや臓器移植後など)の患者には推奨

(ワクチンの効果を高めるには脾臓摘出の2週間前に打つ必要がある(※ただし、脾摘前だと保険通らない)。ベストな状況ではないが脾臓摘出後でも打つ価値はある)

・副反応:注射部位の局所反応が他の予防接種に比べて多い(ただし、数日で自然軽快する)

・欧米では接種後5年以上経過している場合は再接種するとなっている(日本では「再接種は可能」と推奨度が違う)

・肺炎球菌ワクチンは「肺炎の予防接種ではなく肺炎球菌(肺炎の起因菌として最多)という菌の予防接種」である。

・血液培養陽性となるような侵襲性肺炎球菌感染症への効果(肺炎球菌による重症化の予防)は証明されている

・ただし、肺炎に対する予防効果ははっきりとは証明されていない(アメリカCDCも肺炎を予防するワクチンとは説明しないようにと注意喚起している)

P.195~196

 

【インフルエンザワクチン】

・50歳以上、老人ホームや慢性疾患施設の入所者&職員、慢性疾患をもつ人全員、医療従事者など(基本的に打たなくてよいとする人のほうがマレ)

 

予防効果(やはり高齢者になると発症予防効果も落ちる)

 

発症予防

死亡回避

65歳以上

34~55%

80%

65歳未満健常成人

70~90%

 

 

・妊婦に対してのインフルエンザワクチンを推奨すると日本産婦人科学会、WHOともにしている。

(※ただし、不安定な時期である妊娠初期には避けるようにとしている国もある)

→総合的には医療従事者から妊娠初期の患者に積極的にインフルエンザを打つべきとは言わないほうがベター。

P.196

 

P.S花粉症がやばいですね。でも受診するの面倒なんですよね…。

 

 


 

胆管炎と抗菌薬について勉強してみた③

 続きを書いていきます

 

 


 

 

 

 

【胆管炎における培養結果】

血液培養は陽性+胆汁培養は陰性というのは胆管炎では時々ある。

(理由①ドレナージをする準備に時間がかかり、ドレナージ検体が提出される頃には抗菌薬開始後時間が経っており、菌が死滅しているため)

(理由②ドレナージが不十分)

P.114

 

【胆汁より生えた菌で無視してよい菌】

黄色ブドウ球菌カンジダは無視してよい

(理由:留置したドレーンから良く上記菌が生えるがドレーンへのコロナイゼーション(定着菌)である)

(注意:ただし、留置されていたステントの閉塞などが原因の場合は黄色ブドウ球菌カンジダも原因菌になりうる

P.115

 

【留置しているドレーンからでた菌について】

(胆管炎に限らず)留置しているドレーンから提出された検体で生えた場合、無視してよい菌(=ドレーンへの定着菌と考えてよい)

→コリネバクテリウム、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌カンジダなど(留置しているドレーンからの検体は定着菌も拾ってしまうため)

P.116、121

 

【胆道感染症で血培から菌が生えた場合】

胆道感染症は複数菌感染症なので血液培養から1種しか菌が生えなくても複数菌をたたくというスタンスは崩さない。

P.116

 

【胆道感染症で良くならない時に考える病態】

  • ドレナージ不良部位の存在
  • 肝膿瘍の存在
  • 炎症の腹膜への波及による二次性腹膜炎の存在
  • 炎症の胸膜・肺への波及による膿胸の存在

P.116

 

【胆道感染症のパラメーター】

右季肋部痛、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)(GOT、GPTは胆道系酵素ではないので注意)

P.116

 

【胆管炎の治療期間】

Gradeによらず以下が推奨(=重症度で治療期間に変化はない)

・ドレナージなどにより適切な感染巣コントロールできていれば4~7日間

・血液培養陽性患者は2週間(ドレナージなどで感染巣コントロールできていても)

・腸球菌や連鎖球菌が血液培養で生えた場合は最低でも2週間

・石や閉塞が残存する場合は解剖学的な問題が解決されるまで。

 

※治療期間中は点滴からバイオアベイラビリティの良い内服抗菌薬に変更も可

P.116

 

P.S今日は娘のパジャマをネットで買いました。気に入ってくれるといいけどなぁ。

 

 


 

 

胆管炎と抗菌薬について勉強してみた②

続きを書いていきます。

 


 

【重症度別の抗菌薬選択】

◎市中発症の胆管炎

GradeⅠ

 

・SBT/ABPC3g×4+アミノグリコシド

・CMZ1g×4

・CTM1g×4±MNZ

GradeⅡ

・TAZ/PIPC4.5g×4

・CTRX1g×1±MNZ

GradeⅢ

・TAZ/PIPC4.5g×3

・CFPM1g×3±MNZ

※GradeⅠには緑膿菌カバー不要(=胆管炎/胆のう炎だからと言ってなんでもかんでもSBT/CPZってことではない)

※B.fragilisの耐性化が進むCLDMもドレナージができていればMNZの代替薬になる。

※アミノグリコシド系は1日1回投与方法が望ましい。(腎機能が問題なければ(Ccr>50ml/min)GM:5mg/kg/日、AMK:15mg/kg/日。※体重は理想体重を用いる)

 

◎・医療機関への暴露が濃厚で培養途中経過判明前or培養陰性の場合

・胆道系にデバイスがある場合で培養途中経過判明前or培養陰性の場合

1.  TAZ/PIPC4.5g×4

2.  CFPM1g×3±MNZ

※B.fragilisの耐性化が進むCLDMもドレナージができていればMNZの代替薬になる。

P.113

 

【胆道感染症の起因菌】

市中:グラム陰性桿菌(大腸菌やクレブシエラなど)±連鎖球菌、腸球菌

 

医療暴露歴あり:市中+SPACE(セラチア、緑膿菌アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクター

P.114

 

【胆道感染症と嫌気性菌】

嫌気性菌の血液培養陽性例は少ない。

基本、ドレナージができていれば嫌気性菌はそれほど問題にならない(※ただし、重症例では嫌気性菌カバーを検討)

P.114

 

P.S私はこの本のほかに感染症プラチナマニュアルという本も持っているのですが治療薬については岸田先生が推奨する薬と少し内容が異なってました。現場では時々、どっちの本に書いてある薬を選ぶべきか悩みます。

 

 

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胆管炎と抗菌薬について勉強してみた①

 今日は頻繁にみる胆管炎の抗菌薬治療について例の本で勉強したので書いていきます。

 

 


 

【胆管炎と内視鏡的ドレナージ】

胆管炎の多くは迅速に内視鏡的ドレナージを行えば抗菌薬はどれでもあまり遜色はない。

P.108

【Charcotの3徴が揃うことはそこまで多くない】

胆管炎においてCharcotの3徴(発熱、黄疸、右季肋部痛)がそろうのは数十%とそこまで多くない。

P.110

 

【胆管炎の治療で重要なこと】

支持療法を中心とした全身管理+ドレナージ(抗菌薬は背中を押す程度)

 

【胆管炎の重症度分類】

・重症度分類はTokyo Guidelineで行う

・胆管炎の抗菌薬治療は重症度に基づいている!!

・胆のう炎も同じ重症度分類を使って抗菌薬治療選択する

Grade Ⅰ(Mild)

診断時にModerate、Severe以外

GradeⅡ(Moderate)

以下のうち2つを満たすもの

1.WBC>12000/mm3or<4000/mm3

2.39℃以上の発熱

3.75歳以上

4.T-Bill(総ビリルビン)が5mg/dl以上

5.低アルブミン血症(<正常値下限×0.7)

GradeⅢ(Severe)

いずれか1つの臓器障害を示す所見がある

1.心血管系:DOA 5γ以上必要or NAd使用

2.神経系:意識障害

3.呼吸器:PaO2/FiO2比<300

4.腎:乏尿、血清クレアチニン(Cr)>2mg/dl

5.肝臓:PT-INR>1.5

6.血液:血小板(PLT)<10万/mm3

※PaO2:動脈血酸素分圧、PO2:酸素分圧 基本、血液ガスは動脈からとるのでPaO2とPO2は同義

P.111

 

【医療暴露歴の有無が悩ましい時は悪いほうにとって考える】

医療暴露歴があるかないかを悩むケースは医療暴露歴があると判断すべき。

理由;病歴や最近の医療機関受診歴、抗菌薬使用歴は100%うまく取れているとは言えないため。

P.112

 

【胆管炎患者の季肋部痛について】

胆管炎において明らかに季肋部痛があるというのは通常よりも症状が重いと考え、重症度の境目ぐらいならより上のランクで取り扱ったほうが良い。

(↑Charcotの3徴(発熱、黄疸、右季肋部痛)がそろうことは少ないため)

P.112

 

 P.S少し前に胆管炎か胆のう炎の患者さんが入院してきました。その時の採血結果やバイタルから重症度はGradeⅠだったのでGradeⅠにあった抗菌薬でよい良いかなと思ってたのですが季肋部痛を訴えていたのでGradeⅡとして考えても良かったのかな?と思ったそんな一日。

 

VT/VFを調べてみた①

 先日のことです。

 

さて今日も仕事しますか!!と注射オーダーを見たら見覚えのある名前がありました。

 

その方は繰り返し心臓カテーテルを受けている患者さんです。

職業はお医者さんをされており、性格はとても優しく、廊下などでお会いすれば暗く愛想のない私にも気さくに声をかけていただける、いい人だ!!と素直に思える方です。

 

で、オーダーを見たらマグネゾール、アンカロンなどもろもろが処方されていました。

 

マジか!!

 

早速、電子カルテを見ると診察室で急に失神を起こし、心電図ではVF(心室細動)波形が確認されたようです。すぐさまDC(除細動)→マグネゾール→アンカロン→緊急カテーテルをされており今は病棟に入室され、看護師さんとも話をされているようでした。どうやら無事なようです。

 

本当に良かった!!

 

 今日は当院ではあまりお目にかかることのないVT/VF(心室頻拍/心室細動)をいつもの本で勉強したので書いていきます。

 

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【VT/VFの波形】

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P波、QRS波が分からない&波形も不規則

 

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P波、QRS波が分からないが波形は規則的

 

 

【致死性不整脈とは?】

致死性不整脈心室頻拍(VT)や心室細動の(VF)の総称

P.181

 

【electrical stormとは?】

electrical storm:24時間以内に3回以上のVTやVFの発作を認めること。electrical stormは死亡率が高い。

P.181

 

【VT/VFを生じる基礎心疾患と心機能について】

VT/VFを生じる基礎心疾患は以下の通り。心機能によって2つに分類できる。

 

心機能が低下する疾患:心筋梗塞後、心筋症(拡張型心筋症など)

心機能低下を認めにくい疾患:ベラパミル感受性心室頻拍(←右脚ブロック+左軸偏位が特徴)、遺伝性不整脈(←QT延長症候群、Brugada症候群)、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍

P.181

 

P.S今日はひな祭りでした。家族で近くの公園にベビーカーで向かったのですがベビーカーで寝てしまい、公園では遊ばずスーパーで買い物して帰ってきました。娘にはすくすく育ってほしいものです。(ひな人形は今週の土曜日に片付けますかね)

 

 

 

尿路感染症(治療③)

 今日も尿路感染症の治療の続きを書いていきます。

 

 

 

【尿路感染症の経過観察】

腎盂腎炎は72時間程度は発熱が持続しても良い感染症(翌日、解熱しないからといって慌てない)

・72時間経っても解熱しない場合→尿路結石などの尿路閉塞、膿瘍形成の評価をCTなどを用いて画像検索する。

P.21

 

【72時間ルールを無視して画像検索したほうが良い場合】

☆閉塞の解除、ドレナージを早期に行わないと救命できない状況の場合、72時間ルールを無視して画像検索を!!

  • 入院の時点でショック状態など重症の場合

→閉塞の解除、ドレナージをしないと全身状態の改善が期待できない可能性あり。

  • 来院時から痛みが強すぎる

→尿管結石や腎膿瘍の存在を示唆

  • リスクが高い場合には積極的に考える

→コントロール不良のDM、HIV、その他の免疫不全

→結石や先天性奇形などが疑わしい病歴

P.22

 

【複雑性尿路感染症の治療期間】

・血液培養陽性例は2週間

・血液培養陽性以外ガイドラインによっても異なっており明確な指標はない

→解熱後or複雑性の因子解除後(カテーテル抜去や結石除去など)3~5日

カテーテル関連尿路感染症の場合は以下の2通り

  • 症状が迅速に改善した場合:7日間
  • 反応が遅れた場合:10~14日間

P.22

 

 

 

P.S 今日は行くのを控えていた初詣に細心の注意を払って家族で行ってきました。

 

尿路感染症(治療②)

 尿路感染症の続きを書いていきます。

 

 


 

 

【尿路感染症を疑ったら血液培養を】

・尿路感染症は除外診断のため(=血液培養と尿培養が違う結果が出た時、尿路感染以外を疑う判断材料になる。)

→血液培養の菌名から診断・治療の軌道修正が迅速に可能。

・尿路感染症は菌血症の頻度が高いため

P.21

 

【培養結果で感受性ない菌が出た場合】

培養結果で感受性のない菌が出ても臨床的に改善している場合は出た菌を無視しても良い。

P.21

 

【尿培養から生えた菌で無視してよい菌】

黄色ブドウ球菌カンジダは起因菌であることはかなりマレなため無視しても良い。

P.21

 

【無症候性カンジダ尿症とは?】

・尿培養からカンジダが生える(特に尿道カテーテル挿入中の患者では多い)が熱などの症状が何もないような状態。

・ほとんどの場合、治療不要

尿道カテーテルが挿入されている場合、抜去するだけで40%はカンジダが消失。

尿道カテーテルが挿入されている場合、交換するだけでも20%カンジダが消失。

P.24

 

【ただし、治療が必要なカンジダ尿症もある】

・尿路感染症の症状がある

・腎移植を受けた患者

・好中球減少時

・泌尿器系の手術や処置が予定されている患者

・低体重出生時

P.25

 

カンジダ尿症の治療薬】

尿路への移行性の良いFLCZ(ジフルカン)、AMPH-B(ファンギゾン、アムビゾーム)を選択。

(※MCFG(ファンガード)は尿路への移行性が悪いため避ける)

P.25

 

今日は入籍記念日だったので夜は普段口にできないお寿司を食べました(銀のさらですけどね(笑))

 

 

 

尿路感染症(治療①)

 今日もこの本に書いてある尿路感染症について書いていきます。 


 

 

【単純性尿路感染症の起因菌】

大腸菌(E.coli)

89%

複数菌

5%

クレブシエラ(Klebsiella)

4%

プロテウス(Proteus)

4%

その他

2%

酵母菌(Yeast)

0%

腐性ブドウ球菌

(Staphylococcus Saprophticus)

0%

腸球菌(Enterococci)

0%

緑膿菌(P.aeruginosa)

0%

 →単純性尿路感染症の起因菌はほとんどが大腸菌

P.19

 

【複雑性尿路感染症の起因菌】

大腸菌(E.coli)

32%

腸球菌(Enterococci)

22%

緑膿菌(P.aeruginosa)

20%

その他

20%

複数菌

10%

クレブシエラ(Klebsiella)

5%

プロテウス(Proteus)

4%

酵母菌(Yeast)

1%

腐性ブドウ球菌

(Staphylococcus Saprophticus)

1%

→複雑性尿路感染症の起因菌大腸菌の他に緑膿菌や腸球菌など他の菌、複数菌の関与も考慮する必要がある。

P.19

 

【複雑性尿路感染症~培養途中経過判明前~】

TAZ/PIPC 4.5g×4

・全身状態が悪く、ESBL産生菌が過去に検出されている場合はMEPMも考慮。

P.20

 

【複雑性尿路感染症~培養途中経過判明前~】

グラム陰性桿菌のみの場合

CFPM1g×3

グラム陽性球菌のみの場合

ABPC2g×4

グラム陽性球菌とグラム陰性桿菌の両方の場合

TAZ/PIPC4.5g×4

・グラム陰性桿菌で全身状態が極めて悪く、ESBL産生菌が過去に検出されている場合はMEPMも考慮

P.20

 

【複雑性尿路感染症~起因菌判明後~←感受性結果に応じて狭域の抗菌薬に変更する】

感受性の良い腸内細菌の場合

ABPC2g×4

緑膿菌の場合

CAZ1g×4もしくはCFPM1g×4

腸球菌(E.faecalis)の場合

ABPC

腸球菌(E.faecium)の場合

VCM

P.20

 

 

 

P.Sこの前これ↓を買いました。抱っこするのがだいぶ楽になりました。

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尿路感染症(治療以外)

 今日はこの本で尿路感染症を勉強したので書いてきます。

 

 


 

【尿路について】

・尿路:腎臓→尿管→膀胱→(男の場合:前立腺/精巣)→尿道

・管腔臓器では原則、熱が出ない。

(熱が出るのは腎盂腎炎、前立腺炎/精巣上体炎)

P.16

 

【尿路感染の分類】

背景因子から①単純性尿路感染症、②複雑性尿路感染症に分類される。

(単純性と複雑性では起因菌が異なる)

P.16

 

【複雑性尿路感染症の条件】

  • 尿流を障害する解剖学的問題や異物の問題があるか?

前立腺肥大症、膿瘍、結石、カテーテル、神経因性膀胱、妊婦など

  • 患者の免疫状態に問題ないか?

→悪性腫瘍、糖尿病、移植後、好中球減少、HIVなど。

★「若い(閉経前)女性で妊娠しておらず尿路や免疫状態に問題がない人」以外=複雑性とする。

(☆単純性とは複雑性以外のものをいう

P.16

 

【高齢者の腎盂腎炎】

・無症候性(熱以外に症状がはっきりしない)なことが多い

・特に長期臥床高齢者など、カテーテルが挿入されている場合は発熱のみのことが多い。

P.17

 

【臨床で尿路感染が否定できる条件】

高齢者の尿検査が全く異常ない=尿路感染は否定的

P.17

 

【尿路カテーテル留置患者の細菌尿について】

カテーテル管内にバイオフィルムが形成されている

・30日以上カテーテルを留置している場合、ほぼ全例で細菌尿が起こっている。

カテーテルバイオフィルムを形成していても感染症を引き起こすのは10%以下、敗血症にいたるのはその中でも3%

・「尿道カテーテル留置患者の発熱+細菌尿・膿尿」=尿路感染症!とはならない。

P.18

 

 

 P.S 今日は子供がテーブルの角などにぶつかっても大丈夫なようにこれを貼りました。ちょっとイメージと違いましたがまぁいいでしょう。

 

 

 


 

記事にするほどではないですが

 記事にするほどではないですが今日は外用剤の開封後の期限をよく質問された1日だったので書いていきます。

 

キシロカインポンプスプレー、キシロカインビスカス、4%キシロカイン

→メーカーとして開封後の期限は設定していないが開封後30日間、微生物が生えなかったというデータから30日間をアナウンスしているとのことでした。

 

 

えー、今日はこれだけです(笑)

 

皆さんのところでは軟膏などの外用剤の開封後の期限はどのように設定していますか?宜しければ教えていただけると幸いです。

 

P.S今日はコロナワクチンを打つか否かを報告する日でした。

 

私は打ちます。

 

 

 


 

PDE-Ⅲ阻害薬とβブロッカーってなんかモヤモヤする

 

 βブロッカーを飲んでる患者さんにDOBやPDEーⅢ阻害薬がオーダーされるとモヤモヤしてたんです。

 

なぜならβブロッカーは心臓を休める、DOBとPDEーⅢ阻害薬の作用は心臓の働きを強めるのが効果じゃですか!!併用したら作用的に相殺しちゃうんじゃないか?と思ってたんです。

 

今日も「処方Q&A 循環器疾患」で調べました。

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まず結論から言うとβブロッカー内服中にDOBやPDEーⅢ阻害薬を併用するのは「ない」処方ではないようです。

 

【DOB、PDEⅢ阻害薬とβブロッカー】

・β遮断薬を導入・増量する場面にβ遮断薬増量で心不全が悪化してしまう可能性のある重症心不全例ではDOB、PDEⅢ阻害薬を導入すると比較的安全(=βブロッカーにより心不全が悪化しない)にβブロッカーを導入しやすい。

→慎重にDOB、PDEⅢ阻害薬を漸減しつつβブロッカーを漸増するとイメージすると分かりやすい

P.100

 

 

 

と記載されていたんですがうーん…。わかったようなわからないような…(笑)

 

blog.hatena.ne.jp

 

 前に書いた日記に書いた「βブロッカーはβ受容体のダウンレギュレーションを防ぐ」というのを考えるとβ受容体を介さないPDE-Ⅲ阻害薬の併用は意味があるように思えますがβ刺激薬であるDOBは意味が分かりません(笑)

 

 

 

 具体的なβブロッカー内服中にアカルディを導入する方法↓

【βブロッカー導入、増量時のアカルディ】

・βブロッカー導入、増量する3~4日前からアカルディ2.5mg/分2を導入

(↑この方法だとEF10%程度の心臓でもアーチスト10~20mg/日まで漸減できることが多い)

↑筆者の先生はアーチスト10~20mgまで増量できると書いてらっしゃいますが当院における個人的な印象としてはさすがに盛りすぎなんじゃないか?と思います(笑)

 

 

 

P.Sこの前、ある循環器の先生がアーチストを元々飲んでる患者さんが入院してドブトレックス(ミルリーラではない)が処方されました。

 

先生から「作用が反対だからねー」とアーチストを中止するように指示がありました。その時はあーあ、OPTIMIZE-HF試験にβブロッカーは中止すると死亡率が上がると書いているのにやめていいのかなーと思いながら、指示に従ってアーチストを配薬カートから抜きました。

で、そのままアーチスト中止したまま(再開し忘れ?)退院となりました。

 

OPTIMIZE-HF_循環器トライアルデータベース (ebm-library.jp)

 

あれは良かったのかなと思っていたんですが

 

f:id:aisonashiyakuzaishi:20210205202854p:plain

上記のような記載がガイドライン(急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)P.37にあり、アーチスト+DOBは結構動態を悪化させると記載されています。

 

DOBを中止するタイミングで再開しなかったのはダメだと思うけどDOB使用中にアーチストを中止したのは正解だったのかな?先生はこのことまで理解しての指示だったのかな?(アーチストを中止するときに言っていた「作用が反対だからねー」からはとても思えないけど)

 

っていうかなぜミルリーラじゃなかったんだ?(笑)(腎機能悪くなかったです)

 

 

 

・今日の晩御飯はふるさと納税で頼んだもつ鍋(〆にラーメン)らしいです。楽しみだなー。 


 

血圧の日内変動

  今日は血圧の日内変動をいつもの本で調べたので書いていきます。

 

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【血圧の日内変動パターン】

・血圧の日内変動パターンは以下の4つに分けられる

Dipper型(夜間血圧の下降度10~20%)

Non-dipper型(夜間血圧の下降度10%未満)

Riser型(夜間血圧が上昇)

Extreme-dipper型(夜間血圧の下降度20%以上)

 

通常、就寝中は副交感神経が優位となるため脈拍、血圧の低下を認める が「夜間に血圧が下がらない」Non-dipper型、「夜間に血圧が上昇する」Riser型は心血管イベントのリスクが高い=降圧剤の内服時間や内服間隔を再検討する。

 

 【血圧の日内変動パターンと治療薬】

・早朝高血圧:交感神経の亢進、起立時の圧受容体反射障害が関与

→アテレック、カルブロックで対応

・24時間の持続的な降圧

アムロジン、テノーミン、ディオバンで対応

 

 

 P.S入院している患者さんに家での血圧って大体どれぐらいですか?ってなるべく聞くようにしているのですが時々、自前のノートにびっしり数字が書いているのを拝見します。自分だったらこんなにきっちりやらないだろうなーと思ってしまう、ずぼらな薬剤師。

友人から勧められた本です。時間とお金に余裕があったら買って読んでみようかな?↓


 

 

 

糖尿病合併の高血圧(治療編)

 今日はいつもの本&2019年高血圧ガイドラインで糖尿病合併の高血圧を勉強したので書いていきます。

 

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【糖尿病合併高血圧(CKDなし)にACE-I、ARBを選ぶ理由】

→降圧作用の他に「糖尿病性腎症への発症進展を抑制→アルブミン尿を軽減する作用」が証明されているため

・チアジド系利尿剤は糖尿病合併高血圧には使用しづらい

→チアジド系利尿剤は糖・脂質代謝への悪影響+低K血症、高尿酸血症などの代謝性副作用があるため

・Ⅱ度高血圧(常時160/100mmHgを超える高血圧)

→最初からACE-I、ARBにCa拮抗薬を併用することも検討される

 

【糖尿病合併の高血圧の治療】

・糖尿病患者では夜間血圧が低下しないタイプ(non-dipper型)の血圧変動を示すことが多く、食塩感受性も高い

・糖尿病患者では起立性低血圧を起こすこともある

(↑糖尿病により血管内皮障害&糖尿病性神経障害による)

・糖尿病合併高血圧の降圧薬を選択する上で重要なことは①腎機能低下が抑制されるか?②インスリン抵抗性の病態を悪化させないかどうか?である。

 

 

P.229、230、2019年高血圧ガイドライン P.126

 

P.S今日は家族で娘の送り迎え用の電動自転車を見にヨドバシに行きました。試乗もできてとても良かったです。

 

 


 

 

CKDを合併した高血圧について(治療編②)

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【CKD患者への推奨降圧薬でCa拮抗薬を使う状況】

・CVDハイリスク患者動脈硬化が進行して血圧の変動が大きい場合)

・Ⅲ度高血圧(第1選択薬投与前or第1選択薬投与開始後においてSBP≧180mmHg or DBP≧110mmHg)

・腎保護作用の効果:アテレック、カルブロック>アムロジン

 

【CKD+高血圧にACE-I、ARBの試験】

文献:Katayama S,et al:Diabetes Res Clin Pract,55(2):113-121,2002.

試験対象:尿中アルブミン排泄量≧30mg/日、血清クレアチニン≦2mg/dlのⅠ型糖尿病患者にタナトリル

結果:I型糖尿病腎症において尿中アルブミン排泄量が優位に低下

→タナトリルはACE-I、ARBで唯一、Ⅰ型糖尿病性腎症に適応がある

 

RENNAL試験

試験対象:尿アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上の糖尿病患者

結果:ニューロタンに腎保護効果が認められた

 

 

【CKDにACE-I、ARB導入した時の注意点】

・一過性の腎機能低下、高K血症の副作用あり

・血清Cr 2mg/dL以上では最小用量から開始

・血清Crが前値から30%増(前値×1.3以上)or血清Crが前値から1mg/dL以上の上昇or血清K5.5mEq/L以上の場合→中止

 

 

 

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P.S①子供が時々、テーブルの角に頭をぶつける(それだけ身長伸びたんだなー)ので最近、買いました。早く届くといいな↓


 

 

P.S②コロナワクチンを打つか打たないかという連絡が回ってきました。

 

私は打ちます